2009 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーを焦点とした消化器難治性疾患の病態解明および治療開発
Project/Area Number |
21390234
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
渡辺 純夫 Juntendo University, 医学部, 教授 (20138225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山科 俊平 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30338412)
池嶋 健一 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20317382)
今 一義 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30398672)
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Keywords | オートファジー / 脂肪性肝炎 / 潰瘍性大腸炎 / ミトコンドリア / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本年度はオートファジーと脂肪肝、大腸炎との関与を明らかにする目的で研究を行った。 (1) オートファジーと脂肪肝 遺伝的肥満モデルOb/Obマウスを用いて脂肪肝におけるオートファジー機能について解析をおこなった。コントロールマウスと比較しOb/Obマウスでは、肝細胞質内にオートファジーが誘導され、LC3-II蛋白発現も増加していた。しかし肝組織中p62は増加しており、単離肝細胞における蛋白分解アッセイでもOb/Obマウス肝細胞では蛋白分解が抑制されていることが分かった。またGSH/GSSG測定でもOb/Obマウスでは酸化ストレスの増加が確認され、ミトコンドリアの形態異常が観察された。肝組織よりショ糖勾配法によって脂肪滴を単離し脂肪滴膜の蛋白を評価したところ、LC3-IIが蓄積していることが分かった。以上のことから脂肪肝では酸化ストレスや障害ミトコンドリアによってオートファジーが誘導されるがオートファゴソームが脂肪滴に融合してしまい機能が低下している可能性が示唆された。脂肪性肝炎におけるマロリー体形成機序には脂肪滴によるオートファジー機能障害が背景にあるのかもしれない。 (2) オートファジーとDSS腸炎 大腸特異的オートファジー欠損マウスを用いてDSS腸炎モデルを作成した。オートファジー欠損によってDSS投与後腸炎の増悪を認めた。またTUNEL染色によってオートファジー欠損マウスにおいてはDSS投与によって大腸粘膜にアポトーシスが誘導されやすいことが分かった。またTNFαやIL-1β発現の増加もオートファジー欠損マウスにおいて強く誘導されていた。以上のことからオートファジーはDSS腸炎において臓器保護的に作用しているものと考えられた。
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Research Products
(1 results)