2009 Fiscal Year Annual Research Report
心不全発症における細胞内分解機構の検討とその治療への応用
Project/Area Number |
21390240
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大津 欣也 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (20294051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 修 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90467580)
彦惣 俊吾 大阪大学, 保健センター, 助教 (30423164)
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Keywords | 細胞内分解系 / 心不全 / 心筋細胞死 |
Research Abstract |
本研究の目的は、心不全発症機序における細胞内分解経路の役割を明らかにし、新たな心不全治療標的分子を同定することである。 DNA分解においては心筋特異的DNaseII欠損マウスを作製し検討した。まず野生型マウスに圧負荷をかけるとDNaseII活性の上昇が認められた。DNaseII欠損マウスはメンデルの法則に従って生まれた。心エコー法にて心機能を評価すると正常対照群に比し有意さを認めなかった。そこで圧負荷をかけると心拡大、心機能不全を呈した。さらに組織学的に検討すると線維化の亢進や細胞浸潤の増加が認められた。PCR法によってサイトカインの発現を検討したところ著明な産生亢進が認められた。従ってDNA分解はストレスに適応するためには必須であることが分かった。 RNA分解においては心筋特異的TTP欠損マウスを作製し検討した。TTP欠損マウスはメンデルの法則に従って生まれた。心エコー法にて心機能を評価すると正常対照群に比し有意さを認めなかった。RNA分解は細胞保護に働いていることが明らかとなった。 蛋白分解系においてはオートファジーの老化における役割を検討した。オートファジーに必須の分子であるAtg5欠損マウスでは生後3カ月まで心臓の表現型を認めなかったがその後徐々に心機能は低下した。また線維化や酸化ストレスの亢進を認めた。従って老化による心機能維持にはオートファジーが必須であることが分かった。
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Research Products
(4 results)