2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390246
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
石川 義弘 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40305470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 元彦 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40292122)
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Keywords | 自律神経 / 心機能制御 / cAMP / カテコラミン / 分子 |
Research Abstract |
心臓に発現するアデニル酸シクラーゼは自律神経刺激によって酵素活性を上昇させ、cAMPを産生して心機能を制御する。我々は、近年同定されたcAMP標的分子であるEpacの心臓限局型過大発現モデルおよびEpac欠損モデルを作成したが、本モデルにおける心機能変化を検討した。EpacのサブタイプであるEpac 1およびEpac 2のそれぞれを心筋細胞特異的に発現させた。非刺激下ではどちらの過大発現モデルでも心機能に大きな変化は見られなかった。興味深いことに、LPSをはじめとするエンドトキシンを与えると、野生種では心機能の低下が見られたが、Epac 1過大発現マウスでは機能低下が抑えられていた。Epac 1過大発現がどのようなメカニズムでエンドトキシンに対する保護効果を示すのかを、サイトカインがJAK・STAT系に及ぼす影響を中心に検討した。インターロイキン6(IL-6)投与は心筋細胞のSTAT3(Tyr705)のリン酸を約10倍上昇させたが、Epac選択的cAMP誘導体(8-CPT-AM)はIL-6によるSTAT3のリン酸化を60%減少させた。Epac刺激によるSTAT3リン酸化抑制にはSTAT3のリン酸化を抑制するSOCS3の発現上昇が関与していた。また、βアドレナリン受容体刺激薬イソプロテレノールによる心筋細胞内のカルシウム濃度の上昇はIL-6刺激により低下したが、Epacを刺激することにより、この低下が抑制された。cAMP下流に位置するEpacはJAK-STAT経路を抑制することによりサイトカインによる心機能低下を抑制すると考えられた。自律神経調節による心機能調節の新たな調節経路が示された。
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Research Products
(20 results)