2011 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素応答転写制御ネットワークの網羅的解析による慢性腎臓病の病態生理の解明
Project/Area Number |
21390260
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
南学 正臣 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (90311620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 健彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90447409)
稲城 玲子 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (50232509)
田中 哲洋 東京大学, 保健健康推進本部, 助教 (90508079)
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Keywords | 虚血 / 慢性腎臓病 / 腎不全 / 低酸素 |
Research Abstract |
本研究の目的は低酸素応答という重要な個別生命現象に焦点を絞って転写制御ネットワークの網羅的解析を行い、得られた知見を腎臓病学の病態生理に応用するものである。 前年度から引き続いて行っている培養細胞を用いたChIPシークエンスによるHIFの転写制御ネットワークの研究について、条件設定の最適化を行い、低酸素下でのHIF-1結合遺部位を2060箇所同定した。同時に、低酸素状態においてHIF-1が正常に発現している細胞とHIF-1をノックダウンした細胞におけるmicroarray解析の条件も最適化し、480遺伝子がHIF-1依存性に発現が変化することを見出した。これらに共通する新規HIF-1ターゲット遺伝子であるGeneAについては、GeoProfileにて腎細胞癌における発現の亢進が再現性をもって報告されており、tissue arrayを施行することで腎細胞癌における蛋白レベルでの発現亢進を確認することが出来た。レポーターアッセイを行い、HIF-1のGeneAのintronへの結合が低酸素状態での発現亢進に必須であることを確認した。また、GFPとのfusion proteinを培養細胞に発現させ、GeneAの蛋白産物が細胞質分裂の終期にintercellular bridgeに集まること、低酸素では培養細胞のうち多核細胞が増加すること、GeneAをノックダウンすると多核細胞が更に増えることを見出し、GeneAが低酸素状態での細胞質分裂に重要な役割を果たすことを示した。
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