2009 Fiscal Year Annual Research Report
Class 1B PI3キナーゼ活性抑制による肥満糖尿病の新規治療法の検討
Project/Area Number |
21390278
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植木 浩二郎 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 准教授 (00396714)
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Keywords | メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
本研究では、好中球などの遊走を制御することが明らかにされたClass 1B PI3キナーゼ(PI3Kγ)の機能抑制による肥満糖尿病の画期的治療法の開発を目指しているが、まず21年度では、 (1)PI3Kγ KOマウスを通常食または高脂肪食で飼育した際の糖脂質代謝・インスリン感受性・脂肪組織へのマクロファージ浸潤・悪玉アディポカインの変化、等を検討した。 結果として、高脂肪食飼育の場合でのみ、脂肪重量などに有意な差はなかったものの、PI3Kγ KOマウスにおいて有意な血糖値の低下、インスリン感受性の亢進、脂肪組織における炎症性マクロファージ数の低下、悪玉アディポカインの低下が認められた。また、肝臓において、著しい脂肪肝の改善も認められた。 (2)同様に、PI3Kγ KOマウスを肥満糖尿病モデルマウスであるob/obマウスとの交配し、ob/obマウスにおけるPI3Kγ欠損による糖脂質代謝やインスリン感受性、脂肪組織へのマクロファージ浸潤・悪玉アディポカインへの影響を検討した。 結果として、高脂肪食負荷モデルと同様に、体重変化は全くなかったものの、PI3Kγ KOマウスにおいて有意な血糖値の低下、インスリン感受性の亢進、脂肪組織における炎症性マクロファージ数の低下、悪玉アディポカインの低下が認められた。 以上のことから、PI3Kγは肥満状態において脂肪組織へのマクロファージの浸潤を調節している鍵分子であり、その抑制により肥満糖尿病が改善する可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)