2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体の恒常性維持に重要なプロテインC凝固制御系因子の分子細胞医学的研究
Project/Area Number |
21390292
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 宏治 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70077808)
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Keywords | Protein C / 血液凝固反応 / 血管内皮細胞 / 組織因子 / ギャップ結合 / コネキシン / 炎症 / 血小板 |
Research Abstract |
【1】Protein C変異体(PC-Tottori)の機能解析:活性化PC(APC)は第Va因子、第VIIIa因子を分解し、血液凝固反応を制御する。本研究では、Lys192残基が欠損したPC-Tottoriの機能異常の分子機構について検討した。その結果、APC-Tottoriのアミド分解活性とPS非存在下での第Va因子分解活性は野生型APCと同程度あったが、PS存在下での抗凝固活性は低下していた。また、APC-TottoriはPSに対する結合能が有意に低下しおり、APC分子上のLys192残基は、PSとの結合に重要であることが明らかになった。 【2】ギャップ結合(GJ)が血管内皮細胞の組織因子(TF)の発現に及ぼす影響の解析:GJを介した細胞間相互作用は、生体の恒常性維持に重要と考えられている。本研究では、血管内皮細胞における炎症刺激によるGJ構成蛋白質コネキシン(Cx)分子の発現量変化、TF発現に及ぼすCx分子の影響を解析した。その結果、腫瘍壊死因子(TNF-α)刺激によってCx32の発現量が減少すること、TNF-α誘導性のTF発現は、抗Cx32抗体処理によって促進され、抗Cx43抗体処理によって抑制された。以上の結果から、血管内皮細胞のTF発現をCx32が抑制し、Cx43が亢進することが明らかになった。 【3】Cx分子が血小板の活性化に及ぼす影響の解析:血小板は創傷治癒における生理的な血栓形成に重要である。本研究では、血小板の活性化の新規分子機構を明らかにするため、血小板におけるCx分子の発現と血小板活性化に及ぼすCx分子の影響を検討した。その結果、血小板にはCx32とCx43が発現し、GJ阻害剤は血小板の活性化を抑制することが認められ、Cx分子が血小板の活性化に影響を与えていることが明らかになった。
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[Journal Article] Role of LOX-1 in monocyte adhesion-triggered redox, Akt/eNOS and Ca^<2+> signaling pathways in endothelial cells2009
Author(s)
Sakamoto N, Ishibashi T, Sugimoto K, Sawamura T, Sakamoto T, Inoue N, Saitoh SI, Kamioka M, Uekita H, Ohkawara H, Suzuki K, Teramoto T, Maruyama Y, Takeishi Y.
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Journal Title
J Cell Physiol. 220
Pages: 706-715
Peer Reviewed
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