2011 Fiscal Year Annual Research Report
がん特異的T細胞レセプターとケモカインレセプター同時発現によるがん免疫療法の開発
Project/Area Number |
21390294
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
安川 正貴 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60127917)
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Keywords | がん免疫療法 / T細胞レセプター遺伝子 / ケモカイン・ケモカインレセプター / WTI / Aurora-A kinase / 白血病 / 肺がん |
Research Abstract |
新たながん免疫療法開発の目的で、がん特異的T細胞レセプター(TCR)遺伝子と、がん病変局所の高発現しているケモカインレセプター遺伝子を同時に導入した人工細胞傷害性T細胞(CTL)の抗腫瘍効果を検討し、以下の結果が得られた。 1.白血病ならびに多くの固形がんに高発現しているWT1およびAurora-A kinase特異的CTLクローンからTCR遺伝子を単離し、その発現レトロウイルスベクターを構築した。さらに、内在性TCRの発現を抑制し、効率よくTCRを発現できるsi-TCRベクターを初めて構築した。 2.WT1およびAurora-A kinase特異的TCR遺伝子導入人工CTLは、白血病細胞および肺がん細胞をHLA拘束性に傷害したが、造血幹細胞を含め、正常細胞には影響を及ぼさないことが、in vitroならびにヒト化マウスin vivo実験系で証明された。 3.肺がん細胞でのケモカィン発現を網羅的に解析したところ、CCL2が高発現されていることが明らかとなった。 4.WT1特異的TCR遺伝子とCCR2遺伝子を同時導入した人工CTLは、CCL2および肺がん細胞に対して遊走能を示し、WT1特異的TCR遺伝子単独発現CTLよりも効率よく肺がん細胞を傷害できることが、in vitroならびにin vivo実験系で証明された。 以上の結果から、がん特異的TCR遺伝子とケモカインレセプター遺伝子を同時に導入した人工CTLを用いた養子免疫療法は従来のTCR遺伝子療法に比べ、効果的であることが示された。現在、多くの悪性腫瘍に応用すべく、他のケモカインレセプター発現ベクターを構築している。
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