2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子マーキングを用いた細胞運命追跡による血液細胞分化経路全体像の解明
Project/Area Number |
21390297
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
河本 宏 独立行政法人理化学研究所, 免疫発生研究チーム, チームリーダー (00343228)
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Keywords | 系列決定 / 造血 / T前駆細胞 / Notchシグナル / フェイトマッピング / Bclllb |
Research Abstract |
本研究チームは、これまで独自の造血分化経路モデルを提唱し、検証してきた。本研究では、1)ミエロイド-B前駆細胞ミエロイド-T前駆細胞などの存在を検証する、2)T細胞、B細胞、エリスロイド細胞へ向う分化途上で派生するミエロイド細胞がどのように分布するか、何らかの機能的違いがあるかをフェイトマッピングの手法を用いて解析する、という2点を目標とする。これらの研究により、造血の分化経路図を完成させることを目指す。まず1)であるが、22年度は分化停止を誘導することによって分化段階を固定するという研究法を進めた。特にミエロイド-T前駆細胞についてデータが得られた。マウスの造血前駆細胞をノッチリガンドを固相化したディッシュの上でIL-7などのサイトカインの存在下に培養すると、ミエロイド-T前駆細胞という段階で分化停止して自己複製サイクルに入ることを見いだした。この分化停止/自己複製細胞は適切な環境に移すとミエロイド系細胞やT細胞を生成した。さらにBclllbという転写因子がミエロイド-T前駆細胞階から次のT前駆細胞階への決定に必須であることも明らかにした。ミエロイド-T前駆細胞という段階を単なる経過的な段階ではなく安定な分化段階であることを示した。2)については、ミエロイド、T、B各系列のごく初期の段階、すなわち、M-T-B、M-T、M-B各前駆細胞段階から特異的に発現するCreマウス(lt3-Cre,PIR-Cre,IL-7R-Cre)を作製を進めている。そのうちIL-7R-Creマウスのひとつのラインは作製が終了したので解析を進めたが、Cre-Loxの組み換え率があまりよくなかったので、別なラインの作製を進めている。
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[Journal Article] Aberrant induction of LMO2 by the E2A-HLF chimeric transcription factor and its implication in leukemogenesis of B-precursor ALL with t(17;19).2010
Author(s)
Hirose K, T Inukai, J Kikuchi, Y Furukawa, T Ikawa, H Kawamoto, S H Oram, B Gottgens, N Kiyokawa, Y Miyagawa, H Okita, K Akahane, X Zhang, I Kuroda, H Honna, K Kagami, K Goi, Hu Kurosawa, A T Look, H Matsui, T Inaba, Kanji Sugita.
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Journal Title
Blood
Volume: 116
Pages: 962-970
Peer Reviewed
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