2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子マーキングを用いた細胞運命追跡による血液細胞分化経路全体像の解明
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21390297
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
河本 宏 独立行政法人理化学研究所, 免疫発生研究チーム, チームリーダー (00343228)
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Keywords | 系列決定 / 造血 / T前駆細胞 / Notchシグナル / フェイトマッピング / Bcl11b |
Research Abstract |
本年度は、誘導的に特定の細胞分画のマーキングをすることができるコンストラクトを導入したマウスを作製することに成功した。 Flt3は、ミエロイド-リンフォイド系前駆細胞に強く発現する表面分子である。この分子の発現に伴ってCreを発現するコンストラクトを作製し、Tgマウスを作製することはこの研究費の当初からの計画にあった。ただ、その後のわれわれ自身の詳細な研究により、Flt3は造血幹細胞から分化する方向に進んだごく初期の多能前駆細胞の段階でも少量ではあるが発現することが判明し、Flt3-Creを使用するのはfate mappingには適さないと考えられた。 そこで、Creの代わりにEr-Creを入れることを考えた。この系であれば、tamoxifenの投与量を調整することにより、Er-Creを高発現する細胞だけをマークできると考えたのである。23年度のうちに、作成に成功し、現在、lox-GFPマウスと交配中である。いくつか生まれたFlt3-ErCre-lox-GFPマウスを用いた予備的実験からは、リンフォイド系とミエロイド系はマークされるがエリスロイド系はマークされないという極めて興味深い結果が得られている。 3年間の研究機関を終え、必ずしも当初の研究通りには進まなかった点はあるが、予備実験ながら最終的にはとても重要な知見を得られたと考えている。従って、このテーマの延長線上に、基盤(A)を申請している。
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[Journal Article] Notch-Hes1 pathway is required for the development of IL-17-producing γδ T cells2011
Author(s)
Shibata K, Yamada H, Sato T, Dejima T, Nakamura M, Ikawa T, Hara H, Yamasaki S, Kageyama R, Iwakura Y, Kawamoto H, Toh H, Yoshikai Y
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Journal Title
Blood
Volume: 118
Pages: 586-593
DOI
Peer Reviewed
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