2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗IL-6阻害治療をツールとした炎症性自己免疫疾患の発症機構の解明
Project/Area Number |
21390299
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
西本 憲弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80273663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 康雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (10253882)
杉野 英彦 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教 (70270577)
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Keywords | IL-6 / DNAマイクロアレイ / バイオインフォーマティクス / 関節リウマチ / 全身性エリテマトーデス / cell adhesion / defensin / インターフェロン |
Research Abstract |
IL-6阻害治療とDNAマイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析、ならびにバイオインフォマティクスを用いて、関節リウマチ(RA)の病態解析を昨年度に引き続き行った。その解析から特定された分子s100ファミリー分子についてin vitroにおける機能解析を行った。また全身性エリテマトーデス(SLE)の細胞機能異常について検討した。 1) RA患者の末梢血細胞のサイトカインネットワーク異常の検討:gene ontologyに基づく細胞機能異常を検討した。 (1) RA患者末梢血では健常成人に比べ3,479個の遺伝子の発現が増加し、3,418個の遺伝子発現が減少していた。発現が低下していた分子は、主にmetabolism関連分子で、その中にはRNA metabolism、protein biosynthesis、nucleocytoplasmic transport関連分子が含まれていた。一方、増加していた分子はion transport、 morphogenesis、 cell adhesionに分類された。cadherinあるいはprotocadherinファミリーの発現が増加し、TNF、TGFbeta, VEGF、 hepatocyte nuclear factor(HNF)4αがcell adhesion関連分子のネットワークの調節に関わっていることがわかった。 (2) GWAS解析により同定されたRA感受性遺伝子(CD244, PADI4, SLC22A2, PTPN22, CTLA4, STAT4)の発現をDNAマイクロアレイで検討した。CTLA4以外は発現異常と関連し、遺伝子発現解析とGWASの組み合わせにより、疾患感受性遺伝子のより正確な解析が可能になると思われる。 2) SLE患者の末梢血でインターフェロンとTNFのネットワーク異常を明らかにした。サイトカイン以外ではperception of sound、response to radiationの機能の低下が見られた。また、SLEにおいてもミトコンドリアの機能異常の存在を見出した。これらの分子の発現は、TNFやIL-6などの炎症性サイトカインの影響をうけない。 3) 抗菌ペプチドであるdefensin α1, α3はIL-6阻害治療により過剰発現が正常化した。リコンビナントのdefensin α1, α3を作製し、これらの機能を検討中である。
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Research Products
(42 results)
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[Journal Article] Humanized anti-interleukin-6-receptor antibody (tocilizumab) monotherapy is more effective in slowing radiographic progression in patients with rheumatoid arthritis at high baseline risk for structural damage evaluated with levels of biomarkers, radiography, and BMI : data from the SAMURAI study.2011
Author(s)
Hashimoto J, Garnero P, van der Heijde D, Miyasaka N, Yamamoto K, Kawai S, Takeuchi T, Yoshikawa H, Nishimoto N.
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Journal Title
Mod Rheumatol
Volume: 21
Pages: 10-15
Peer Reviewed
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[Journal Article] Interleukin-6 modulates graft-versus-host responses after experimental allogeneic bone marrow transplantation2011
Author(s)
Tawara I, Koyama M, Toubai T, Liu C, Nieves E, Sun Y, Lowler KP, Malter C, Evers R, Nishimoto N, Hill GR, Reddy P.
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Journal Title
Clin Cancer Res
Volume: 17
Pages: 77-88
Peer Reviewed
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[Presentation] 全身型JIA患者におけるDNAチップを用いたトシリズマブの治療効果予測の可能性2010
Author(s)
西本憲弘, 河田祐一, 李慧敏, 青木千恵子, 安達康雄, 杉野英彦, 今川智之, 森雅亮, 冨板美奈子, 岩田直美, 村田卓士
Organizer
第54回日本リウマチ学会総会・学術集会 ワークショップW-1-C-1
Place of Presentation
神戸ポートピアホテル.兵庫
Year and Date
20100422-20100425
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[Presentation] トシリズマブ投与RA患者における呼吸器感染症についての検討2010
Author(s)
星大介, 設楽久美, 佐藤恵理, 北浜真理子, 瀬戸洋平, 浦野和子, 市川奈緒美, 小関由美, 谷口敦夫, 西本憲弘, 山中寿
Organizer
第54回日本リウマチ学会総会・学術集会.ワークショップW3-L-4-6
Place of Presentation
神戸ポートピアホテル.兵庫
Year and Date
20100422-20100425
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