2011 Fiscal Year Annual Research Report
好塩基球によるTh2細胞の誘導とアレルギー病態形成に関する研究
Project/Area Number |
21390301
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
善本 知広 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60241171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
安田 好文 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50333539)
中平 雅清 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60454758)
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Keywords | 好塩基球 / 抗原提示細胞 / Th2細胞 / アレルゲン / IgE抗体 / IL-4 |
Research Abstract |
最終年度は、1)アレルギー疾患モデルマウスを用いたアレルギー発症における好塩基球のAPCとしての役割、2)Th2細胞誘導抗原提示細胞としてのヒト好塩基球の役割を明らかにした。 (1)アレルギー性鼻炎発症における好塩基球の役割 (1)マウスにブタクサ花粉粒子(ragweed pollen;RW)を水酸化アルミニウムと共に正常マウスに2回免疫し、RWを4日間点鼻した。その結果、点鼻後の頻回なくしゃみ回数(即時相)と、点鼻24時間後の鼻粘膜の組織学的検索(好酸球浸潤、上皮の多列化とムチン産生亢進)(後期相)及び、血清IgE値及び、頸部リンパ節細胞をRW抗原で刺激しTh2細胞の誘導を伴ったアレルギー性鼻炎モデルマウスを樹立した。次に、(2)本鼻炎モデルマウスを用いて、アレルギー発症における好塩基球の役割を検討した結果。1)抗FcεR1抗体(クローン;MAR-1)を投与して生体内の好塩基球を除去したマウスでは、アレルギー性鼻炎の発症(くしゃみ、鼻粘膜の好酸球浸潤)は著明に抑制された。一方、2)頸部リンパ節細胞へのTh2細胞の誘導は抑制されなかった。以上の実験結果から、RW誘導性のRW特異的アレルギー性鼻炎発症では、好塩基球がTh2細胞誘導以外の作用でその発症に関与していることが示唆された。 (2)ヒト好塩基球はTh2細胞を誘導できるか? (1)ヒト好塩基球の分離・精製:ヒト末梢血から比重遠心法で単核細胞を得、好塩基球以外の全ての細胞の表面抗原に対する抗体に磁気ビーズを標識したMiltenyl BiotecのMACS抗体とauto MACSを用いヒト好塩基球を分離・精製し、次のことを明らかにした。1)ヒト好塩基球(CD203c+c-kit-細胞)はMHCクラスII(HLA-DR)とCD80/CD88分子を発現する。2)ヒト好塩基球をIL-3存在下にヒトIL-18またはIL-33で刺激するとわずかではあるがIL-4産生を誘導した。以上の実験結果から、ヒト好塩基球Th2細胞誘導抗原提示細胞となりうる可能性が示唆された。
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Research Products
(28 results)