2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を基盤としたアレルギー病態の理解と新規治療戦略
Project/Area Number |
21390302
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
久保 允人 東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (40277281)
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Keywords | IL-4 / Th1/Th2 / 転写制御 / I型アレルギー反応 / 転写制御 / エンハンサー / サイレンサー |
Research Abstract |
Th2サイトカイン遺伝子クラスター内には良く配列が保存された非翻訳領域が点在し、これら領域はDNaseIに対して高感受性であることから、DNaseI高感受性(HS)領域と呼ばれている。クロマチンレベルでのエピジェネテックな解析より、これら領域はTh2サイトカインの転写を包括的に制御する働きを持つことが想定されている。本研究では、Th2において中心的役割を持つIL-4遺伝子に着目し、IL-4遺伝子ないに存在するそれぞれの制御領域が持つ生理学的意味を明らかにすること、そしてこれまで想定されてきたTh2サイトカイン(IL-4, IL-5, IL-13など)の包括的制御の存在の解析を目的とする。マウスゲノムからこれらHS領域をそれぞれ欠失させた遺伝子改変マウスを作製した。この解析からIL-4とIL-13の遺伝子は、遺伝子発現を制御する遺伝子配列として知られるHS2とCGREがそれぞれ存在することを見いだした。これら領域にはGATA-3に対する結合配列が存在することから、これら領域に対するGATA-3の結合と遺伝子発現活性の指標であるヒストンのアセチル化について、時空間的な解析を行ったところ、HS2あるいはCGREを欠失したマウスのゲノムでは、それぞれIL-4あるいはIL-13遺伝子座におけるGATA-3の結合が見られず、同時にピストンのアセチル化も起こさないことが観察された。このことから、GATA-3はHS2あるいはCGRE領域に結合することにより、IL-4、IL-13遺伝子の発現をそれぞれ独立に制御していることが明らかにされた。これまで、みられてきたTh2サイトカインの包括的制御はその結果をとらえたものと考えられる。 また、この発見はGATA-3によるサイトカイン遺伝子の発現制御が、私たちの体に備わったアレルギーを発症するメカニズムの本質であることを示したとともに、抗原刺激の役割についても、新たな視点を与えた。すなわち、アレルギーを引き起こす抗原がナイーブT細胞を刺激することで、ナイーブT細胞内のIL-4とIL-13の遺伝子上のクロマチン構造を変化させることにより、GATA-3が標的となる遺伝子配列に結合しやすい状況を作り出すのがその役割であおると考えられた。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] The enhancer HS2 critically regulates GATA-3-mediated 114 transcription in T_H2 cells.2011
Author(s)
Tanaka, S., Motomura, Y., Suzuki, Y., Yagi, R., Inoue, H., Miyatake, S., Kubo, M.
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Journal Title
Nature Immunology
Volume: 12(1)
Pages: 77-85
Peer Reviewed
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[Journal Article] The transcription factor E4BP4 regulates the production of IL-10 and IL-13 in CD4(+) T cells2011
Author(s)
Motomura, Y., Kitamura, H., Hijikata, A., Matsunaga, Y. Matsumoto, K., Inoue, Atarashi K., H, Hori.S., Watarai, H., Taniguchi M., Kubo, M.
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Journal Title
Nature Immunology
Volume: (Epub ahead of print)
Peer Reviewed
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[Journal Article] Lothar Hennighausen, Lionel Feigenbaum, and Alfred Singer : Signaling by intrathymic cytokines, not T cell receptors, specifies CD8-lineage choice and promotes differentiation of cytotoxic-lineage T cells.2010
Author(s)
Jung-Hyun Park, Stanley Adoro, Terry Guinter, Batu Erman, Amala Alag, Marta Catalfamo, Yongzhi Cui, Philip J.Lucas, Ronald E.Gress, Kubo, M
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Journal Title
Nature Immunology
Volume: 11(3)
Pages: 257-264
Peer Reviewed
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[Journal Article] T Cell Treatment with Small-interfering RNA for SOCS3 Modulates Allergic Airway Responses in a Murine Model of Asthma.2010
Author(s)
Moriwaki, A., Hiromasa Inoue H., Nakano, T., Matsuno, Y., Matsumoto, T., Fukuyama, S., Kan-o, K., Matsumoto, K., Tsuda, M., Yoshimura, A., Kubo, M., Yoichi Nakanishi, Y.
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Journal Title
Am.J.Respir.Cell Mol.Biol
Volume: 44(4)
Pages: 448-455
Peer Reviewed
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