2011 Fiscal Year Annual Research Report
クリプトコックス症の病原因子検索、臨床病態解析とデータベースの構築
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21390305
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
河野 茂 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80136647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉川 公一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (20404212)
掛屋 弘 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (40398152)
宮崎 義継 国立感染症研究所, 生物活性物質部, 部長 (00311861)
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Keywords | クリプトコックス症 / 病原因子 / 臨床データベース / gDNA / genotype / 血清型 |
Research Abstract |
本研究は、当科に保存する豊富な臨床分離クリプトコックス株を材料に、新たな病原因子を検索、病原因子の発現の定量化を行い、臨床病態と病原因子の発現量をデータベース化、また、クリプトコックス症の症例を集積し、将来的に、クリプトコックスリファレンスセンターを設立、診断、治療における中心的役割をはたすことを目的としている。平成21年度の当初の研究計画は,(1)臨床分離C.neoformans cDNAライブラリーの作成、(2)培養細胞に発現ライブラリーを導入しスクリーニング、(3)クローニングされたC.neoformans遺伝子のシークエンスを行い、データベースを用いてそれぞれのタンパクの情報を解析する。という予定であった。しかし、本研究遂行のために、実際の臨床分離株全株について、その菌種の再確認、血清型、疫学的な分類など、基本的な情報の再取得、確認を行う作業が必須となった。 平成22年度には、菌からのgDNA、RNAの抽出法について簡易的に可能となった。全分離株について、gDNAを抽出し、血清型と菌株同士の相同性をみるために、遺伝子学的に検討を行った。血清型確認にはPCR法を用い、ほとんどの株がα型であった。遺伝子学的疫学研究にはMLST法を用いて、全株の7つの遺伝子解析を行い、数株を除いてほとんどの菌株がVNI型(数株はVNII型)であり、韓国や中国の報告とほぼ同様の結果が得られた。東アジアで分離される株は遺伝子学的に近似であることが証明された。 平成23年度には、上記で解析した株の臨床的背景を解析した。全例、non-HIV感染患者に発症したクリプトコックス症で、糖尿病などの基礎疾患を有する率は、65.4%であった。さらに全例肺クリプトコックス患者で、中枢神経系の合併症を呈した症例は4例のみであった。Genotypeの相違(VNIとVNII)での臨床的な特徴に差はなかったが、VNIIが検出された3症例のうち2症例は死亡の転帰をとった。 Genotypeと臨床的予後については、今後の更なる症例解析が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病原因子の解析については、進行が遅れているが、臨床データベースの解析と日本における疫学的解析については順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床データベースの更なる充実を図るために、疾患感受性遺伝子の解析を併せて行っており、日本人におけるクリプトコックス感受性について遺伝子学的に解析を進める。病原因子解析については、既知の病原因子に関する網羅的解析手法を開発中である。
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Research Products
(6 results)