2009 Fiscal Year Annual Research Report
疾患特異的iPS細胞を用いた難治性小児骨髄異形成症候群の発症機構の解析
Project/Area Number |
21390308
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小池 健一 Shinshu University, 医学部, 教授 (40143979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩原 正明 信州大学, 医学部, 准教授 (00293514)
坂下 一夫 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (10345746)
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Keywords | 骨髄異形成症候群 / iPS細胞 / 造血幹細胞 |
Research Abstract |
Transfectionにあたってウイルスベクターを用いた場合、挿入近傍のがん遺伝子が活性化される可能性がある。このため、Wellcome Trust Sanger Institute(UK)より供与されたOCT3/4、SOX2、c-MYC、KLF4、green fluorescent protein(GFP)のcDNAを含むトランスポゾン-プラスミドを用いて白血病細胞株にtransfectionを試みた。なお、このトランスポゾンを用いた末梢血単核球へのCD19に対するキメラ抗原受容体(CAR)のtransfection効率は17-18%であった。 若年性骨髄単球性白血病(JMML)患者からのiPS細胞を作成する上で重要な点は、生下時に異常細胞が存在するか否かである。これを検討するため、PTPN11遺伝子あるいはRAS遺伝子変異を有するJMML 13例において、遺伝子変異を指標にロック核酸を用いたreal-time PCR法の確立し、検討した。全例で変異DNAの定量が可能で、検出限界は診断時の10^<-2>から10^<-4>であった。ガスリー血が入手できたJMML 7例すべてから、診断時変異DNA量の3x10^<-3>から6.5x10^<-1>の腫瘍量が検出され、本症の一部は胎児期発症である可能性が考えられた。7例中5例の変異DNA量は1x10^<-1>以上であったことから、これらの症例は生下時すでにsubclinical statusに達していたと推定された。 最近、JMMLにおける新たな遺伝子異常として、CBL遺伝子変異が報告された。NRAS、KRAS、PTPN11遺伝子が野生型であり、神経線維腫症I型の臨床像を示さなかった12名のJMML患者において、CBL変異のスクリーニングを行ったところ、4名に変異が認められた。このうち、2例は、6-MPなどのnon-intensive化学療法のみで、15年~28年間血液学的改善が得られている。即ち、CBL変異を持つJMML患者の予後が必ずしも不良ではないことを示している。
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Research Products
(7 results)