2010 Fiscal Year Annual Research Report
チャネル遺伝子変異をもつてんかん患者の難治化要因の解明
Project/Area Number |
21390312
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大守 伊織 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20403488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内田 守 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80213635)
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Keywords | てんかん / チャネル / 難治 |
Research Abstract |
1.てんかん患者で検出された変異型CACNA1Aの機能解析 48例のてんかん患者のリンパ球を用いて、CACNA1A遺伝子の解析を行ったところ、患者の約40%に遺伝子多型を含むミスセンス変異を検出した。健常人96人での頻度を比較したところ、8種類のうち6種類はてんかん患者において頻度が高く.残り2種類においては同頻度であった。このことから、6種類の変異については、病的意義があるものと考えられた。 上記で検出された変異型CACNA1A遺伝子の機能的変化をパッチクランプ法を用いて解析するため、6種類のcDNAを作製し、cDNAをHEK293細胞に強制発現させ、ボルテージクランプで全細胞記録を行った。結果、1種類は、正常型と同じ活性を持っていたが、残りは、電流密度の上昇や電位依存性活性化の亢進を認めた。 2.モデルラットによるin vivo実験 Scnla遺伝子に変異をもつラットとCacnala遺伝子に変異をもつラットを交配することによって、個体の表現型がどのように変化するか検討した。しかし、Scnla遺伝子ヘテロ接合Cacnala遺伝子ヘテロ接合(F1)どおしを交配させてF2を作製しようとしたところ、生れてくる仔の遺伝子型に著しい偏りが生じていることが分かった。また、両ラットは遺伝的背景が異なっており、F2での表現型に遺伝的背景の差異が影響することも明らかになった。そこで、遺伝的背景を統一するため、現在戻し交配を繰り返した。現在、12回の戻し交配が完了した。Scnla遺伝子に変異をもつラットとCacnala遺伝子に変異をもつラットの遺伝的背景はほぼ同一になった状態で実験を行うと、Scnla遺伝子に変異をもつラットで認められる高体温誘発けいれんは、Cacnala遺伝子変異が加わることによって、発作の持続時間が長くなることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)