2012 Fiscal Year Annual Research Report
リソソーム酵素と基質類似体との分子間作用の熱力学的・構造学的研究と新規治療法開発
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21390314
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
櫻庭 均 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (60114493)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | リソソーム病 / ファブリー病 / ポンペ病 / α-ガラクトシダーゼ / α-グルコシダーゼ |
Research Abstract |
ファブリー病の疾患責任酵素であるα-galactosidase A(GLA)と基質類似体との分子間相互作用を明らかにし、ファブリー病の病因遺伝子変異に基づくGLA変異体を安定化する酵素増強治療薬を開発することを目的として研究を行った。 動物由来のGLAの酵素活性に影響を与える可能性のある37種類の低分子化合物について解析したが、既知の基質類似体プロトタイプである 1- deoxygalactonojirimycin (DGJ)の他には、galactostatin bisulfate (GBS)とN- butyl- deoxygalactonojirimycin (NB-DGJ)しかヒトGLAには影響を及ぼさず、特に安定化がみられたのは前2者のみであった。そこで、野生型およびM51Iアミノ酸置換を持つGLA変異体(M51I- GLA)とDGJおよびGBSとの結合と解離に関して、熱力学的および構造学的解析を行った結果、DGJの基本骨格である芳香環の1位または6位を修飾することで、新規の変異酵素安定物質を創出できる可能性が示された。 基本となるDGJとGBSをファブリー病患者由来の培養線維芽細胞の培養液中に添加した所、前者は10-500 μM、後者は10-100 μMの濃度で、細胞内GLA活性の増加が見られた。次に、DGJ芳香環の1位または6位を修飾した6種類の化合物(新規合成化合物を含む)とM51I- GLAとの分子間相互作用について解析した所、 N- (n-Nonyl) deoxygalactonojirimycinとN-Carboxypentyl-1-deoxygalactonojirimycinとが酵素の安定化作用を示した。特に前者は、酵素に対する阻害作用が少なく、今後、本化合物をシーズとした研究により、新たなファブリー病治療薬開発への応用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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