2009 Fiscal Year Annual Research Report
小児のウイルス性胃腸炎の基礎・臨床研究とリスク評価
Project/Area Number |
21390315
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
牛島 廣治 Aino University, 医療保健学部, 特任教授 (10091068)
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Keywords | ウイルス / 胃腸炎 / 分子疫学 / リスク評価 / 小児 |
Research Abstract |
1.ヒトサポウイルスはGI,GII,GIVがあり特にGI/1が多い。現在までGI/2,5ならびにGIVに対するVLPの作製に成功した。現在GI/1について作製している。GI/2を用いてモノクローナル抗体を作製した。これらの抗体はGI/4、GIV、そしてGI/1への反応は見られなかった。イムノクロマトのキットを作製したが、GI/2に限局的に反応した。現在、ポリクローナル抗体の組み合わせや広範囲にサポウイルスと反応するモノクローナル抗体を作製している。 2.最近流行したノロウイルスの株を用いて、より検出できるキットを作製している。GII/4 2006bおよびGII/3およびGII/6の最近の株についてVLPを作製した。現在、従来の抗体との反応を調べている。また、現在有しているノロウイルスおよびアストロウイルスのICキットが現在の流行株に有用なことを示した。 3.わが国のウイルス性下痢症の分子疫学を行った。ノロウイルスGII/4とロタウイルスG1P[8]が主流であった。ノロウイルスは2007-2008では19%にみられ、GI/4が僅かと主体はGII/4,13,3であった。GII/4は2006b variantであった。GII内のリコンビナントが見られた。サポウイルスは約4%に見られ2007-2008ではGIVが多いが2008-2009はGI/1が主体であった。2008-2009ではポリメラーゼがGIIでカプシドがGIの組換えウイルスが見られた。頻度は低いが、ヒトパレコウイルス、アイチウイルス、ボカウイルスなども見られた。 4.マウスノロウイルスを精製し、そのポリクローナル抗体を作製した。1万倍以上の中和活性を有した。マウスノロウイルスは加熱70℃で1分以内に失活した。 5.わが国のブタにおいて糞便の中からE型肝炎ウイルスを検出した。またブタのコブウイルスも見出し、食品の安全の面から検討が必要である。
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Research Products
(55 results)