2010 Fiscal Year Annual Research Report
最先端MRI機能画像診断を用いた不妊・習慣性流産の病態解明及び生殖医療支援
Project/Area Number |
21390345
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
富樫 かおり 京都大学, 医学研究科, 教授 (90135484)
|
Keywords | MRI / 生殖医療 |
Research Abstract |
上腹部及び骨盤部MRIの精細な局所画像を得るための新たな手法としてperiodically rotated overlapping parallel lines with enhanced reconstruction (PROPELLER)法の有用性の検討を行った。上腹部において、膵癌肝転移巣の描出は、PROPELLER及び造影剤としてparamagnetic ironxide (SIPIO)を用いた脂肪抑制T2強調像が拡散強調像やPROPELLERを用いないSPIO脂肪抑制T2強調像より有意に高かった。女性骨盤内各臓器の描出についても、PRPPELLER法を用いたT2強調像での描出が優れていた。また、婦人科領域MRI撮像時の腸管蠕動抑制するためのブスコパンの使用につき、これまでその画質改善の上での有用性は経験的に周知されていたが、論文での報告がなされていなかった。本研究によりブスコパンによる診断能の改善、及び子宮筋層の信号上昇が明かにされた。これらの研究は、今後の婦人科疾患のMRIを診断する際、より精度の高い画像を得る為に有用な情報となると思われる。 子宮の生理的な機能評価としては、正常子宮の月経周期変化を拡散強調像で評価した。黄体期、月経期において内膜、外層筋層のADC値が比較的低下していることが示され、今後の子宮病態の評価の基本的データとなった。また、子宮蠕動については、子宮筋腫の子宮動脈塞栓術前後における蠕動の変化を評価した結果、術後に新たに6例で蠕動が出現した。蠕動の出現した症例においては、その他の例と比べて術前の子宮体積が有意に小さいことが確認された。今後、筋腫による不妊症の原因と治療に対して新たな知見を加えた。
|
Research Products
(8 results)