2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞におけるrtPA治療最適化のための3TMRIによるバイオマーカーの検討
Project/Area Number |
21390346
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
原田 雅史 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20228654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 龍兒 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00214304)
永廣 信治 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60145315)
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Keywords | stroke / MRI / T2*-WI / infarction / 3 Tesla / hemorrahge |
Research Abstract |
徳島大学病院の脳卒中センターに来院し、rtPA治療を施行した43症例について、MRIの画像所見と予後との関係を検討した。rtPA治療により予後が不良であった症例は内頸動脈閉塞症例と糖尿病及び高血圧を有する症例であり、これまでの報告と同様であった。一方、MRIによるT2*-WIでの虚血所見は、組織の低信号化において予後の不良との関連が示唆された。その他の拡散強調画像の信号変化の大きさや発症からの時間は予後との関連を認めなかった。 さらにrtPA治療後の出血の有無についてT2*-WIを用いて評価を行った。その結果、これまで報告されているCTの結果よりも、多くの出血頻度が認められ、その中には予後の良好な症例が少なくなかった。そこで、ECASS分類にもとづき、hemorrhagic infarction(HI)タイプとparenchymal hemrrhage(PH)タイプに分類して検討を行った。その結果CTによる報告にくらべてHIタイプの出血症例の頻度がT2*-WIによる評価では多く、そのほとんどに閉塞血管の再開通が認められ、予後改善傾向が認められた。一方で症候性出血の症例はPHタイプの出血におおく、この頻度はT2*-WIでもCTによる報告と大差を認めなかった。以上からT2*-WIでは出血の感度が高いために、CTでは検出されないHIタイプの出血を検出し、そのような出血は閉塞血管の再開通を関連して、予後良好を示唆するサインと考えられた。rtPA治療後の効果判定にもT2*-WIを用いたMRIは有用である可能性が示唆された。
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