2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経免疫応答の画像診断-新規PBRリガンドによるアプローチと多角的検証
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21390350
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
外山 宏 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (90247643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
籏野 健太郎 国立長寿医療研究センター, 脳機能画像診断開発部, 室長 (50228475)
澤田 誠 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (10187297)
工藤 元 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (20449466)
山田 貴史 国立長寿医療研究センター, 脳機能画像診断開発部, 流動研究員 (50531860)
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Keywords | 核医学(PETを含む) / 分子イメージング / ミクログリア / 末梢性ベンゾジアゼピン受容体(PBR) / 輸送たんぱく質(18kDa)(TSPO) / サイトカイン / 6-OHDA / ラット |
Research Abstract |
昨年度、ラット一側線条体への6-hydroxydopamine(6-OHDA)の投与によってドーパミン神経の機能的な障害をきたしても、傷害の程度は軽度であるためにミクログリアの活性化は発現しないこと、ミクログリアの神経障害性(毒性転換)、LPS腹腔内による増強効果は生じないこと、末梢性ベンゾジアゼピン受容体(PBR)/輸送蛋(18kDa)(TSPO)の発現は軽度であることが動物PETによる測定で明らかになった。ドーパミン神経の機能的な傷害しか得られなかったのはラットに投与した6-OHDAのロットが不良であったことが判明したため、今年度は新しい試薬、同一プロトコールで実験した。ドーパミン神経繊維(チロシ水酸化酵素)染色では、6-OHDA注入側(傷害側)では線条体の染色が不良であった。活性化ミクログリア(ED1)染色では、LPS腹腔内投与ラットは非投与ラットに比べ6-OHDA投与側の活性化ミクログリア細胞が多く観察された。LPS腹腔内投与ラットでは、非投与ラットに比べ6-OHDA投与側の活性化ミクログリア細胞が数倍多く観察された。炎症性サイトカイン(TNFα、 IL-1β)は、6-OHDA注入側で多く発現し、LPS腹腔内投与ラットは、非投与ラットに比べ増幅され、特に6-OHDA注入側で増幅が大きかった。ドーパミントランスポーターPET(^<11>C-βCFT)では、LPS非投与ラット,投与ラットともに傷害側線条体に^<11>C-βCFT PETで集積低下を認めたが、PBR/TSPO PET(^<18>F-FEPPA PET)では、LPS投与ラットで非投与ラットよりも集積増加を認めた。これらの結果から、脳傷害モデルラットにおいてLPSを腹腔内投与することによりミクログリアがさらに活性化されるだけでなく、毒性転換が増強されるモデルを確立できたと考えた。
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Research Products
(10 results)