2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経免疫応答の画像診断ー新規PBRリガンドによるアプローチと多角的検証
Project/Area Number |
21390350
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
外山 宏 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (90247643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
籏野 健太郎 国立長寿医療研究センター, 脳機能画像診断開発部, 室長 (50228475)
澤田 誠 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (10187297)
山田 貴史 国立長寿医療研究センター, 脳機能画像診断開発部, 流動研究員 (50531860)
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Keywords | 核医学(PETを含む) / 分子イメージング / ミクログリア / 末梢性ベンゾジアゼピン受容体(PBR) / 輸送たんぱく質(18kDa)(TSPO) / サイトカイン / 6-OHDA / ラット |
Research Abstract |
昨年行った末梢性ベンゾジアゼピン受容体(PBR)/輸送蛋白(18kDa)(TSPO)リガンドと動物PETによる検討では、ラット脳傷害モデルにおいて、ミクログリアの性状変化を引き起こすためにLPSを腹腔内に投与した群と投与しない群について、24時間後各々PETを撮像し比較した。しかし、ラット脳傷害モデルを同様の手技で作成しても傷害の程度に個体差があるため、異なるラットの2群間の比較ではLPSによるミクログリアの活性化/毒性転換の増幅によるPBR/TSPO PETの変化を有意な差として検出できないという問題点があった。今年度は、ラット脳障害モデルにおいてLPSを腹腔内投与数時間後に神経障害の原因となるミクログリアの毒性転換をPBR/TSPO PETで捕らえられるか検討し,これまで行ってきたミクログリアの活性化、毒性転換の客観的なバイオマーカーとしての PBR/TSPO PETの意義を検討した。ラット右側線条体に6-OHDA注入し、脳傷害モデルを作製した。4日後、1回目のPBR/TSPO PET(18F-EPPA PET)を撮像し、LPSあるいは生食を腹腔内に投与4時間後、2回目のPBR/TSPO PET(18F-FEPPA PET)を撮像した。コントロールの1回目PETでは線条体の集積はLPS群と生食群で有意差を認めなかった。しかしながら2回目PETでは線条体の集積はLPS群とは生食群よりも有意に高かった。LPS群、生食群伴に傷害側の活性化ミクログリア細胞が多く観察され、LPS群の方が細胞質の大きいミクログリアが多かった。炎症性サイトカイン(TNFα、IL-1β)の発現はLPS群の方が生食群より大きかった。これらの結果から、各々のモデルラットの測定値をコントロールとして測定することにより、LPS投与数時間後にミクログリアの毒性転換をPBR/TSPO PETで捕らえられることが示唆された。
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Research Products
(3 results)