2010 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞由来因子をターゲットとした血管内膜肥厚に対する新しい治療戦略
Project/Area Number |
21390357
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古森 公浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40225587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室原 豊明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90299503)
柴田 玲 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (70343689)
山本 清人 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10298359)
小林 昌義 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60329381)
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Keywords | 脂肪細胞由来因子 / 血管内膜肥厚 / 自家静脈グラフト |
Research Abstract |
本研究は、血管内膜肥厚、いわゆる自家静脈グラフト内膜肥厚及びステント再狭窄と肥満、メタボリックシンドロームとの関連を明らかにし、さらにこれらの病態に伴うアディポサイトカイン産生異常をターゲットとした新たな血管病治療戦略を提示することにある。 ピオグリタゾン(PPAR-γ agonist(チアゾリジンジオン誘導体))はインスリン抵抗性改善作用を有し、II型糖尿病患者に広く用いられている。近年、血糖降下作用のみならず、抗動脈硬化をはじめとする多彩な作用を持ち合わせていることが報告されている。そこで、本研究ではPPAR-γ agonistが静脈グラフト内膜肥厚抑制効果、ステント再狭窄抑制効果を有するかどうかを検討することとする。 【目的】 ピオグリタゾン投与による静脈グラフトの内膜肥厚抑制効果について検討し、その機序としてアディポサイトカインとの関連について検討する。 【方法】 ウサギを用いて自家静脈グラフトモデルを作成した。閉塞性動脈硬化症の臨床例に類似したpoor runoffモデルを使用した。ウサギをコントロール群とピオグリタゾン投与群にランダムに分け、ピオグリタゾンは混餌投与とした。コントロール群には通常食を投与した。手術後4週目に標本を摘出し、自家静脈グラフトの内膜肥厚抑制効果を比較検討した。また、血中アディポサイトカイン濃度について検討した。手術後2週目の標本を作成し、Ki-67染色、TUNEL染色を行った。また、ウエスタンブロットを行い、アディポネクチンに関連するシグナル(AMPK、ERK)についてウエスタンブロットで検討した。 【結果】 ピオグリタゾン投与群において静脈グラフトの内膜肥厚抑制効果を認めた。また、血中アディポネクチンの濃度が増加していた。免疫染色では細胞増殖抑制、及びアポトーシスの亢進が認められた。ウエスタンブロットではAMPKの活性化、ERKの抑制を認めた。 【結論】 ピオグリタゾン投与により静脈グラフトの内膜肥厚抑制効果を認め、その機序としてアディポネクチンが関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(13 results)