2011 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用へ向けた癌細胞と微小環境の役割解明に関する包括的研究
Project/Area Number |
21390360
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 浩文 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30322184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70190999)
赤池 敏宏 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (30101207)
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Keywords | 癌 / 微小環境 / 浸潤 / 転移 |
Research Abstract |
・微小転移研究:大腸癌微小リンパ節転移に関する多施設前向き臨床研究の結果を解析した結果、微小転移の量に応じて癌の再発率が増加するという明らかな相関関係を認めた。この結果をNEJMに投稿する。 ・OSNA法を用いた大腸癌リンパ節転移診断については2010年に論文化し、厚生労働省から販売承認を得た。 ・転移遺伝子C4.4Aに関しては特異抗体を作成し、浸潤癌細胞の細胞膜にのみ反応するという臨床的に貴重な結果を得たので国内特許を取得し、国際特許の出願も受理された。この抗体を用いて学会主導の独立した検証試験(n=230)を実施した結果、StageIII大腸癌の再発予測因子として有用であることが確認された。またC4.4AはEMT誘導を促進することが分かり論文化した。 ・クロマチン構造の変化がEMT誘導に直接関わることを示した報告はいまだほとんどみられないが、低酸素誘導遺伝子JMJD1AがヒストンH3リジン9基の脱メチル化を通じてEMT誘導因子を発現させることを明らかとした。 ・炭酸アパタイト法を改良したsuper apatite法によって、ヌードマウス移植大腸癌腫瘍をsiRNAの尾静脈投与により縮小させることに成功した。臨床利用に向けて画期的な成果である。 ・ヌードマウスに腫瘍を形成させる際に、Ang2が腫瘍血管の内腔形成に重要であること、VEGFとAng2の両方の阻害による抗血管療法の有効性について明らかとした。
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