2011 Fiscal Year Annual Research Report
マスターサイトカインを標的とした細胞老化制御と革新的な大動脈瘤治癒療法の開発
Project/Area Number |
21390367
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
青木 浩樹 久留米大学, 循環器病研究所, 教授 (60322244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 耕一 山口大学, 医学部, 准教授 (00322248)
安川 秀雄 久留米大学, 医学部, 准教授 (60289361)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / トランスレーショナルリサーチ / 外科 |
Research Abstract |
大動脈瘤は原因不明の致死的疾患である。本研究では大動脈瘤分子病態の中心である慢性炎症と細胞老化に果たすIL-6系の役割を解明し、その機能を制御する画期的治療法開発を目指す。本研究は、IL-6が大動脈瘤におけるマスター・サイトカインであるとの仮説検証を通じて理想的な大動脈瘤の退縮・治癒療法の開発を目的とする。 目的1)ヒト大動脈瘤組織におけるIL-6系の機能解明 目的2)大動脈瘤病態モデルにおけるIL-6系の機能解明 目的3)血管平滑筋およびマクロファージにおけるIL-6系の機能解明 平成23年度には、以下の検討を実施した。 ヒト大動脈瘤培養組織において抗IL-6受容体阻害抗体を投与し、IL-6依存性に分泌される炎症性サイトカイン群を同定した。さらに、同サイトカイン群の発現と大動脈瘤の病理組織型との相関を検討した。 大動脈瘤モデルとしてマウスCaCl_2モデルを用いて、マクロファージ特異的SOCS3ノックアウトを用いてIL-6系シグナルを増強した際の瘤形成を検討した。IL-6受容体阻害抗体をマウスに投与すると大動脈瘤形成は抑制された。IL-6はマクロファージを活性化することが知られているが、予想外なことにマクロファージ特異的SOCS3ノックアウトでは野生型と比較して瘤形成に顕著な差を認めなかった。ところが、マクロファージ特異的SOCS3ノックアウトマウスにアンジオテンシンIIを投与すると、腹腔動脈分岐部を基点とする大動脈解離を発症した。
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