2009 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌における癌幹細胞と間葉細胞の相互作用の解明とそれを応用した集学的治療の開発
Project/Area Number |
21390371
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉富 秀幸 Chiba University, 医学部附属病院, 助教 (60375631)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70166156)
木村 文夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (70334208)
高野 重紹 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20436380)
|
Keywords | 膵臓癌 / 癌幹細胞 / 血管内皮細胞 / 間葉細胞 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、膵臓癌の増殖、進展の分子機構を解明し、外科切除と組み合わせた新しい集学的治療法を開発することにある。特に、本研究では癌幹細胞と間葉系細胞との相互作用に注目して研究を行う。 平成21年度の研究では膵癌幹細胞マーカーといわれる分子に対する免疫組織染色を施行し、その存在、臨床的意義を検討した。CD133は膵癌細胞の内、ごく一部(数%)に発現していた。一方で、CD44はほぼ膵癌細胞全部に発現していた。このように両因子の発現細胞は完全に一致しているわけではないことがわかった。また、近年、癌幹細胞マーカーとして注目されているALDH-1についても染色を施行したところ、膵癌細胞を中心に染色が認められた。本因子の発現を詳細に検討すると、膵癌細胞の内、染色される細胞の割合が症例により異なっていた。現在のところ、5例の症例の検討であるので、今後、100例程度の症例の染色を施行し、その染色の程度と生存期間などの臨床病理学的因子との関係を検討していく。また、血管内皮細胞のマーカーであるendoglinやCD31との二重免疫染色を施行していく予定である。これらの因子の単独の免疫染色法が機能することは本年度確認した。そこで、今後は、2重染色を施行する。また、膵癌細胞株3種類の培養系を本年は確立した。加えて、血管内皮細胞株2種類の培養系も確立したところである。今後、トランスウェルを用いて、これらの細胞の共培養を施行する予定である。 本年度の研究は今後予定している研究の基礎的なデータを収集することが出来た.次年度はこれらのデータを生かし、より詳しく膵癌における幹細胞と間葉細胞の相互作用の機構を解明していく。
|
Research Products
(4 results)