2009 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化蛋白をターゲットにした膵・胆道癌の早期診断および個別化治療への展開
Project/Area Number |
21390372
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宮崎 勝 Chiba University, 大学院・医学研究院, 教授 (70166156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 文夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (70334208)
清水 宏明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80272318)
加藤 厚 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (70344984)
吉留 博之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (10312935)
高野 重紹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (20436380)
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Keywords | proteomics / 膵癌 / 胆道癌 / 腫瘍マーカー / リン酸化蛋白 / ERK |
Research Abstract |
膵胆道癌に対して標的となりうる血清中リン酸化蛋白を網羅的に解析しそのリン酸化蛋白抑制をターゲットとした分子標的治療薬を用いることで新しい個別化治療として応用することを目的とした。 Bio-PlexTM phosphoprotein suspension array systemを用い血清中リン酸化蛋白の存在量を網羅的に測定し、まず、Training setとして膵癌患者術前血清と健常人血清中のリン酸化蛋白存在量をBio-PlexTM 200 systemを用いて網羅的に測定・比較検討し、健常人血清より膵癌血清で有意に上昇している事を確認した。そのリン酸化蛋白を候補蛋白として同定中である。次に膵癌患者血清とその患者群の数、年齢および性別を合わせた健常人サンプルを用いて症例数を増やしたValidation studyを行い、Training setで選ばれた候補蛋白の測定結果に再現性が認められるかを確認した。これまでのpreliminary dataによると、リン酸化された細胞内シグナル蛋白18種類中、5種類のリン酸化蛋白において健常人血清と比較し膵癌血清で有意な発現量の増加が認められた。実際に血清中にp-ERK1/2が存在しているかの確認をWestern blotを用いて検討すると、膵癌血清中の方がより発現量が多いことが再確認された。さらに、膵癌組織内でのp-ERK1/2発現を免疫染色にて検討すると、存在量の多い患者組織中にp-ERK1/2の発現を高度に認めた。それぞれの血清中リン酸化蛋白発現量の有無を確認し、さらにBio-Plexでの測定値との相同性を検討したところリン酸化された細胞内シグナル蛋白18種類中、5種類のリン酸化蛋白において健常人血清と比較し膵癌血清で有意な発現量の増加が認められた。その中の一つであるp-ERK1/2について検討すると実際にBio-Plexで測定して高値を示した膵癌患者3名と低値であった健常人3名の血清サンプルを上記のように処理した後Western blotにて比較したところ、p-ERK1/2の血清中存在量の強弱がBio-Plexの測定結果と一致し、健常人に比べ膵癌患者でp-ERK1/2が強発現していることが判明した。リン酸化蛋白に対する特異的抗リン酸化蛋白抗体を用いて腫瘍組織の免疫染色を行ったところ、血清中と組織中のリン酸化蛋白の発現量を把握することで悪性度診断に応用できる可能性が示唆されてきた。また血清中のp-ERK1/2存在量が高い浸潤性膵管癌患者の切除標本の免疫染色を行ったところ、癌細胞に強い染色性が認められ細胞質及び核内に発現を認め、p-ERK1/2の存在量が低い患者の癌組織では染色性が弱いという傾向が認められている。
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Research Products
(3 results)