2009 Fiscal Year Annual Research Report
アミノペプチダーゼをターゲットとした新規分子標的治療薬の創出
Project/Area Number |
21390373
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
唐子 堯 (唐 偉) The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (00313213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國土 典宏 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00205361)
関水 和久 東京大学, 薬学系研究科, 教授 (90126095)
中田 宗宏 東海大学, 工学部, 教授 (00266371)
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Keywords | 分子標的治療薬 / 肝細胞癌 / 浸潤 / APN / 血管新生 |
Research Abstract |
本研究計画では、コンピュータ支援型分子設計技術を駆使することによりターゲットの活性部位の立体構造に基づいた阻害剤を設計・合成し、その結果構築された化合物ライブラリから有望な候補化合物をスクリーニングすることにより、アミノペプチダーゼ(APN)を標的とした新規化学療法剤を開発することを目的としている。当該年度は、構築された化合物ライブラリから有効な抗癌効果をもつ化合物をin vitro及びin vivoにおける種々の実験法によってスクリーニングする事を試みた。その結果、複数の有効な化合物を拾い出す事に成功した。なかでも、ヒドロキサム酸誘導体の一種である化合物(名称:24F)は、in vitro下において種々の肝細胞癌(以下、HCC)培養細胞株の増殖を抑制し、人工的に構築されたマトリゲルに対する癌細胞の浸潤能力も抑制した。なお、HCC細胞の浸潤に対する抑制効果は細胞種間で大きな違いは認められなかったが、HCC細胞の増殖に対する抑制効果は細胞種間での相違が認められた。その原因としては、増殖速度の違いやAPNの発現量の違いなどをはじめ様々な現象が考えられ、その増殖抑制のメカニズムに関する生化学的解析を現在進行させている。さらに、当該化合物は、血管新生における重要なイベントである血管内皮細胞による血管様構造の形成及びマトリゲルへの浸潤を有意に阻害する事が示された。従って、当該化合物は、HCC細胞そのものの増殖及び浸潤を阻害するほか、血管内皮細胞による血管新生に関連する諸現象を阻害する事によってHCCの進行を抑制できる可能性をもつことが示唆された。今後は当該化合物の信頼性を高めると共に、ライブラリ内の他の化合物に関してもHCCに対する有効性を継続的に解析していく。
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