2011 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ミセル内包RGD-TNFαを軸とする集学的がん遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
21390374
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中野 賢二 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 教授 (00315061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 秀晃 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70322071)
西山 伸宏 東京大学, 医学系研究院, 准教授 (10372385)
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Keywords | TNF-α / YB-1 / CD40L / GM-CSF / 高分子ミセル / miRNA / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
新生血管標的化分子を融合させたRGD-TNF-α遺伝子治療の作用機序に関する解析を行うとともに、免疫遺伝子や悪性化に関与する因子に対するRNA干渉の併用を検討し、全身的抗腫瘍効果を有する集学的がん遺伝子治療を開発することが本研究の目的である。本年度の主な研究成果を以下にまとめる。 (1)TNF-αを軸とした遺伝子治療の安全性の検討 前年度までTNF-αやCD40L,GM-CSF併用遺伝子治療の抗腫瘍効果に関する検討を行って来た。本年度は、マウス腹膜播種モデルにおいて、腹腔内投与による高分子ミセル内包TNF-α遺伝子治療薬の安全性に関する検討を行った。体重、血液一般、血液生化学検査の結果は、24時間後一過性に軽度の肝機能上昇が認められた以外は、明らかな異常を認めず、安全性に問題が無いことが示唆された。また、生体内の分布に関して、蛍光標識した高分子ミセルを用いて検討し、腫瘍組織と脾臓、肝臓、リンパ節にミセル局在が多く認められ、遺伝子発現は腫瘍組織が最も高いことを明らかにした。 (2)癌悪性化因子YB-1を標的としたmiRNA遺伝子治療の検討 前年度は膵癌に対する治療効果と、YB-1のノックダウンによる血管内皮細胞の増殖抑制を見出していた。本年度は、YB-1 siRNAにより血管内皮細胞のアポトーシス、細胞周期静止の増加、管腔形成能の抑制が生じることを明らかにし、皮下腫瘍モデルにおいてもYB-1miRNA遺伝子治療により腫瘍組織の新生血管密度が低下することを明らかにした。腫瘍血管を標的とする癌腫によらない汎用性の高い治療となる可能性が示唆された。
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Research Products
(8 results)