2011 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓門脈結紮(塞栓)後代償性肝再生を応用した組織特異的幹細胞の単離とその機能解析
Project/Area Number |
21390375
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宮川 眞一 信州大学, 医学部, 教授 (80229806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本山 博章 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (20569587)
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Keywords | 門脈結紮(塞栓) / 肝再生 / 組織幹細胞 |
Research Abstract |
我々は門脈結紮後に出現する幹細胞の存在に注目し、(1)内胚葉特異的抗体を用いて、同細胞を識別・分離、(2)分離された細胞のin vitroにおける増殖性・分化能力の検討、(3)肝細胞以外の内胚葉由来細胞への分化可塑性の検討(特に膵内分泌細胞への分化の可能性の検討)、(4)肝幹細胞移植による肝障害モデルの病態改善に関する検討を行うことを、本研究の趣旨とし計画した。 我々は独自に開発したマウス門脈結紮モデルを用いて門脈結紮(塞栓)後代償性肝再生に寄与する未分化細胞(portal branch ligation-stimulated hepatic cells : PBLHCs)を分離し得た。PBLHCsは幹細胞のsell renewalに関与するとされるHMGA2を発現しており、種々のファクター(細胞外マトリックス及び液性因子)の変更により肝・胆管細胞へとそれぞれ分化しうるbipotetiallityを有し、特に胆管細胞分化環境においては正常の胆管組織に類似した組織構築を再現しうることを見出した。本内容は論文として発表した(Biochem Biophys Res Commun.2010 Dec 17 ; 403 : 298-304)。 当初の研究計画ではこの細胞が内胚葉特異的抗体を用いて分離可能と思われたが、PBLHCsは内胚葉特異的に発現する転写因子Soxl7を発現しておらず、肝へのlineageへと誘導された肝幹細胞と考え得る未分化細胞であった。可塑性検討においては従来のliver-to-pancreas reptogrammingにおいて報告されているような異所性遺伝子発現手法を用い、予備実験としてマウス肝組織中に膵臓発生特異的転写因子を複数導入して検討を行い、Pdx1、Ngn3、MafAの3因子を共発現させ肝における異所性インスリン遺伝子の転写促進を得ることを確認し、同遺伝子群を導入したPBLHCsの解析を進めている。
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Research Products
(6 results)