2010 Fiscal Year Annual Research Report
Premetastatic Nicheを標的にした新しい癌治療戦略の構築
Project/Area Number |
21390376
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
今野 弘之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00138033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬等 光利 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20302664)
太田 学 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40397394)
神谷 欣志 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20324361)
瀬戸口 智彦 浜松医科大学, 医学部, リサーチアシスタント (80436956)
上原 隆志 浜松医科大学, 医学部附属医院, 医員 (70464120)
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Keywords | 消化器悪性腫瘍 / 分子標的治療 / 転移機序 / 悪性化 / 網羅的解析 |
Research Abstract |
1)ヒト大腸癌TK4同所移植肝転移モデルで、Pre-metastattc phase, Metastattc phaseの主に肝臓におけるタンパク発現を、ALDI-TOF/MS法による質量分析および質量分析顕微鏡を用いて測定し、転移過程における転移巣の微小環境変化の同定を試みたが、残念ながら有用な結果が得られなかった。2)同モデルにおけるマイクロアレイ解析で、TSU68により移植腫瘍内におけるLysyl Oxidase (LOX)の発現が抑制されているとの結果を得た。LOXは転移先臓器でのpremetastatic niche形成に関与することが報告されており、qRT-PCR等を用いたさらなる解析を行ったが、結果は否定的であった。このため解析方法を変更し、マゥスを用いたin vivo実験に先立ち、ヒト大腸癌臨床切除検体(原発巣および肝転移巣)を用いて、転移形成に関わる遺伝子やマイクロRNAの発現変化を主にマイクロアレイを用いて現在解析中である。3)胃癌臨床検体を用いて、MALDI-TOF-MS質量顕微鏡による成分解析を行ったところ、癌部および非癌部で脂質の組成に差があることを見出した。すなわち、非に比べ癌部においてphosphatidylcholineが豊富に存在しており、lysophosphatidylcholineをアシルしてphosphatidylcholineを合成する酵素であるLPCAT1も過剰に発現していた。さらに分化型と未分化型で発現の強さに差があり今後の癌発生メカニズムの究明に役立つ可能性がある。現在脂質組成やLPCAT1タンパクの発現強度と胃癌の予後とに関連があるか等を解析中である。
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