2012 Fiscal Year Annual Research Report
2光子励起顕微鏡を用いた大腸癌化及び癌、周囲間質応答の新規確証提示
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21390377
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
楠 正人 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50192026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 靖浩 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20324535)
三木 誓雄 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (50242962)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 肝転移 / 二光子励起顕微鏡 / 癌幹細胞 / 上皮間葉移行 |
Research Abstract |
平成24年度は、GFP標識ヌードマウスの脾臓にRFP標識大腸癌細胞株を接種させた大腸癌肝転移モデルを用い、肝類洞内の単一癌細胞がそのまま肝類洞内で増殖するのか肝類洞外に遊出後増殖するのかを継時的半定量を行った。また、5-fluorouracil(5-FU)投与下での肝類洞内の単一癌細胞の継時的変化を観察した。肝類洞内増殖を示す癌細胞はほとんどなく、多くの癌細胞はextravasationし増殖した。5-FUは肝類洞内癌細胞のextravasation、72時間以内のextravasation後の増殖には影響を及ぼさなかったが、7日後以降ではcontrol群に比べ、5-FU投与群では肝微小転移巣の増殖に差を認めた。すなわち、5-FU投与群では癌細胞死と網内系細胞による反応と思われるVitamin A貯蔵細胞の反応が観察され、5-FUの殺細胞効果と間質反応と考えられた。 大腸癌肝微小転移巣における抗癌剤反応の形態学的変化は中心性壊死に陥るパターンと辺縁壊死に陥るパターンが観察され、抗癌剤抵抗性を示す癌細胞は後者である可能性が示唆された。さらに癌細胞及び周囲間質細胞の生体内観察を行い抗癌剤抵抗性癌細胞の形態学的及び分子生物学的特徴を捉える予定である。また、GFP標識ヌードマウスに通常の大腸癌細胞株を接種させた大腸癌肝転移モデルでは、癌細胞は標識されず、マウス由来の腫瘍血管による肝微小転移巣が観察できる。ヒト癌細胞が産生したVEGFがマウス肝におけるxenograft tumor内でAlexa Fluor標識された抗VEGF抗体がどのような振る舞いをするのか、抗EGFR抗体が肝転移巣内癌細胞表面にどのように結合するのかを二光子レーザー顕微鏡を用い生体内リアルタイムイメージングする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二光子励起顕微鏡を用いた肝転移巣の生体内観察法を確立でき、様々な状況下での癌細胞と間質細胞との相互作用を高倍率でとらえることができるようになった。Alexa Fluor標識した抗EGFR抗体が生きた癌細胞表面に接着することがin vitroで可能となり、in vivoへの導入予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
我々が確立した二光子励起顕微鏡を用いた肝および大腸の生体内観察法は、高倍率であるが故の様々な制限もあり、可視化した現象の定量化を確立していく必要がある。さらに、大腸癌肝転移巣制御を目指し、抗体医薬の薬物動態をAlexa Fluor標識した抗EGFR抗体、抗VEGF抗体を用いて検証する。
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Research Products
(2 results)