2011 Fiscal Year Annual Research Report
高悪性膵癌細胞のProspective isolationと次世代個別化治療開発
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21390381
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 雅夫 九州大学, 医学研究院, 教授 (30163570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 典宏 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (20423527)
大内田 研宙 九州大学, 医学研究院, 講師 (20452708)
当間 宏樹 九州大学, 大学病院, 講師 (80437780)
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Keywords | 膵癌 / セルソーティング / 癌間質相互作用 / 上皮間葉移行(EMT) |
Research Abstract |
ヘテロな膵癌細胞集団において、予後や再発、治療抵抗性に関わる高悪性度の細胞集団を同定し、その細胞集団をターゲットとした細胞特異的な標的分子の同定を進めている。 (1)rosective isolationによる高悪性度細胞集団特的表面マーカーの同定。 当研究室で樹立を進めていた膵癌高肝転移株が3種類の膵癌細胞株(SUIT-2、MiaPACA_2、Panc-1)で完成したため、親株と共にマイクロアレイにかけ遺伝子発現の特徴や、特異的表面マーカーの同定を行った。3種でオーバーラップする分子が複数同定された。また、上皮間葉移行(Epithelial-mesenchymal transition ; EMT)の過程でCD280が上昇すること、CD280発現膵癌細胞は浸潤能が高いことを同定した。 (2)表面マーカーを用いた微量高悪性度細胞集団同定と純化した微量細胞集団の生物学的悪性度のプロファイリング。 いままで進めてきたCD133、CD24による膵癌細胞株の分取に加えCD280やコラーゲン取り込み能から同定したEMT細胞の細胞分取を試みたが、陽性細胞の割合が低いことやコラーゲンビーズの製品の問題により有効な解析はできなかった。 (3)生物学的悪性度のプロファイルに基づく標的細胞集団における標的的分子の同定 CD133陽性膵癌細胞に関してはその浸潤能や間質からの相互作用を受けやすい性質より、治療標的細胞集団となりうることは示したが、新しくコラーゲン取り込みレセプターと呼ばれるCD280を標的候補として同定した。CD280を抑制することで膵癌の細胞内へのコラーゲン取り込み量が低下し、浸潤能が有意に低下することを同定した。またCD280は膵癌細胞のEMTと密接な関係を有していることも明らかとなった。
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Research Products
(4 results)