2009 Fiscal Year Annual Research Report
遊離癌細胞をターゲットとした新たな肺癌治療戦略の開発
Project/Area Number |
21390388
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澤端 章好 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (50403184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟木 壮一郎 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50464251)
井上 匡美 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10379232)
門田 嘉久 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50464243)
中桐 伴行 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (70528710)
奥村 明之進 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40252647)
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Keywords | 肺癌 / 転移 / 遊離癌細胞 |
Research Abstract |
「具体的内容」肺静脈への癌細胞の遊離は転移の第一歩の可能性があるり、新たな遊離癌細胞(Isolated tumor cells : ITC)の同定方法を用い検討を加えた。非小細胞肺癌で肺切除を行った44例を対象とした。性別は男24例、女20例、年齢中央値65歳、AD33、SQ6, LA2、その他3例で、病理病期はIA : 26, IB : 11, IIA : 2, IIB : 2, IIA : 1, IV : 2例であった。肺癌手術摘出肺の肺静脈血1mlより遊離癌細胞をネガティブセレクション法で回収しPapa-nicolaou染色後診断し、2ml以上採取できた場合はサイトケラチン染色で確認した。肺静脈採取中央値は3ml (1ml-10ml)で21例(47%)においてITCが同定可能であった。また、形態学的に1) Bulky cluster (>200μm) cells : BS、2) non-bulky cluster (<200μm) cells : NBC、3) singular cells : SC, 4) no tumor cell : NTの4タイプに分類可能でBC : n=1 (2%), NBC : n=9 (20%), SC : n=11 (24%), NT : n=24 (52%)であった。ADか否か、BACか否か(non-BAC/BAC)、CT上の腫瘍サイズ(TS ; cm)、CT上のsolid regionサイズ(SR ; cm)、T1か否か(T2T3/T1)、NOか否か(N1N2/NO)を独立変数として行った単変量logistic regression解析ではNon-BAC (HR=4.8, p=0.04)、SR (HR=1.8, p=0.02)、T2T3 (HR=4.6, p=0.02)が有意であった。中央値5か月(1M-9M)の観察期間で原病死はなく、1例に術後5か月目に遠隔転移(肝、脳転移)を認め、この症例はBCタイプであった。「意義」当検討で用いたnegative selection法はPV内のITC形態学的定性ができ、形態学的特徴により4タイプに分類可能で、非BACでsolid部分のサイズの大きい病変で陽性になる傾向があった。「重要性」肺癌血行性転移の第一段階である肺静脈血中遊離癌細胞の臨床的意義が明らかになり、転移制御の研究対象として重要である事が判明した。
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Research Products
(2 results)