2011 Fiscal Year Annual Research Report
遊離癌細胞をターゲットとした新たな肺癌治療戦略の開発
Project/Area Number |
21390388
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澤端 章好 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50403184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 明之進 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40252647)
井上 匡美 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10379232)
中桐 伴行 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70528710)
須崎 剛行 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10528649)
舟木 壮一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50464251)
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Keywords | 肺癌 / 遊離癌細胞 / 間質反応 / 転移 |
Research Abstract |
肺癌手術症例における遊離癌細胞の臨床における重要性を、縮小肺切除断端における遊離癌細胞や、新規同定法を用いた摘出肺肺静脈血液中遊離癌細胞を用いて証明した。さらに、遊離癌細胞の肉眼的形態が肺癌原発病巣の間質反応のグレードと関連することを示し、上皮間葉移行などの癌細胞の変化が術後再発と極めて関連が深い可能性を示唆した. 縮小肺切除では断端の遺残遊離細胞は再発の予測因子であることをふまえ、予後を調査したところ断端遊離癌細胞陽性症例は有意差を持って陰性症例に比べ予後不良である(5年生存率:79.2%,38.5%,p=0.01)ことが明らかになり,断端の遊離癌細胞は癌微小環境における癌細胞の動態を探索する良いモデルになりうることを示した. さらに、我々は術操作による血液中への癌細胞散布を、我々が新たに用いたCD45を標的としたネガティブセレクション比重法で摘出肺肺静脈血から形態学的特徴を保って癌細胞を回収すれは,73%の陽性率であり,形成学的分類が再発の予測因子であり、cluster形成が強く術後再発と関連していることを証明した。さらにこの形態学的分類は原発巣の間質反応と関連した因子である血液中CEA濃度,腫瘍内血管への浸潤,病理病期が相関し,中でも腫瘍内血管への浸潤がcluster形成の予測因子であった.一方、単発遊離癌細胞は術後2年以降に再発を認めるものが多くサイトケラチン陰性細胞が含まれており今後の上皮間葉移行の面から更なる検討が必要である事が示唆された.
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Research Products
(9 results)