Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北市 隆 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (20335813)
中川 竜二 徳島大学, 病院, 助教 (10403685)
前田 和寿 徳島大学, 病院, 准教授 (30294680)
菅野 幹雄 徳島大学, 病院, 特任助教 (70563807)
神原 保 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20380082)
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Research Abstract |
経静脈的なヒト臍帯血細胞移殖がモノクロタリン(MCT)誘発肺高血圧モデルマウスにおいて肺高血圧を改善するか否か検討した. 8週齢免疫欠損マウス(BALB/c Slc-nu/nu)においても,MCT 80mg/kgを腹腔内投与し,4週後にC57/BL6マウスと同様の肺高血圧モデルを作製した.本施設倫理委員会の承認を得, 本研究に対する同意を得た産婦の分娩時にヒト臍帯静脈血を採取し,肺血管床改善に効果的な細胞濃度1×107/0.25mlに調整した.このヒト臍帯血細胞を免疫欠損肺高血圧マウスに経静脈的に移植し,4週後に肺高血圧の改善が得られるか否か,心エコー法を用いた肺動脈血流波形の解析(AT/ET)と右室/左室心筋重量比から検討した。それぞれシャム群(S群),肺高血圧コントロール群(PH群),臍帯血細胞移殖群(C群),臍帯血血漿移殖群(P群),臍帯血細胞+血漿移殖群(A群)の5群で比較検討した. 臍帯血の解析ではCD34+,CD45+,CD133+前駆細胞は全体の1.02%を占め,投与調整液では2.57%に濃縮された。臍帯血細胞移植4週後のAT/ETはS群0.363±0.034,PH群0.277±0.009,C群0.352±0.008,P群0.274±0.009及びA群0.367±0.029と,C群とA群ではPH群に対して有意に改善したが,P群では改善しなかった.また,右室/左室心筋重量比はS群0.245±0.033,PH群0.341±0.036,C群0.274±0.041,P群0.314±0.021,A群0.265±0.048と,C群とA群、ではPH群に対して有意に改善したが,P群では改善しなかった. MCT誘発免疫欠損肺高血圧マウスでは,ヒト臍帯血細胞移殖により肺高血圧が改善し,その改善には臍帯血中の血漿成分ではなく細胞そのものが必要であった。細胞の役割,行方について現在追跡中である.
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