2009 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸ミセルを用いたCED法による膠芽腫新規治療法の開発
Project/Area Number |
21390401
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
隈部 俊宏 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10250747)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 順彦 東北大学, 病院, 講師 (90302140)
齋藤 竜太 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10400243)
|
Keywords | 膠芽腫 / ミセル / レチノイン酸 / CED法 / テモゾロミド |
Research Abstract |
U87MG悪性神経膠腫培養細胞を用い実験を行った。in vitroでAm80を投与し、MTS assayを行い抗腫瘍効果を判定した。結果として100-200uMの濃度においてAm80の抗腫瘍効果が認められた。さらにTemozolomideとの併用において効果が増強された。続いて、Am80投与24時間後で培養細胞を回収しタンパク質を抽出し、ウエスタンブロット法でタンパク質の発現を解析した。phospho-MAPKはAm80単独投与で発現の低下を認めたが、phospho-AKTはAm80+TMZの併用において発現低下が単剤に比較し増強された。以上からIn vitroでのAm80の腫瘍増殖抑制効果が確認され、その作用機序がphospho-MAPKの抑制によるものであることが示唆された。さらにTMZの投与により腫瘍増殖の抑制効果は増強されたが、これはphospho-AKTの発現抑制によるものである可能性が示唆された。続いて、6-8週齢、正常Suprague-Dawleyラットを使用し、in vivoにおけるAm80ミセルの毒性試験を行った。Am80 12,6,3mg/m2をCED法により投与後、観察期間は21日および60日とし、神経脱落症状出現の有無、体重減少出現の有無等注意深く観察した。観察期間終了後にラットは安楽死させ、脳組織の組織学的解析を加え毒性を評価した。結果として、すべての濃度においてラットに明らかな神経脱落症状を認めず、組織学的評価でも神経毒性は認められなかった。このことから、Am80はラット脳内に安全に投与できる薬剤であることが確認された。引き続き、生存試験を行った。ヌードラット脳内にヒト膠芽腫培養細胞U87MGを移植し、脳内に腫瘍を形成させたのち、投与7日目にAm80、Am80ミセルをCEDにて投与し、生存試験を行った。結果として、Am80はコントロールに比較し有意な生存期間の延長を認めなかったが、Am80ミセルは有意な生存期間の延長を認めた。この結果からAm80ミセルは膠芽腫に対する抗腫瘍効果を持つことがin vivoでも明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)