2009 Fiscal Year Annual Research Report
増殖型遺伝子組換えヘルペスウイルスを用いた新規脳腫瘍治療法の開発研究
Project/Area Number |
21390404
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤堂 具紀 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特任教授 (80272566)
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Keywords | 脳腫瘍 / ウイルス療法 / 単純ヘルペスウイルスI型 / ウイルスベクター / 腫瘍免疫 |
Research Abstract |
G47Δは腫瘍特異的なウイルス複製能に優れ且つ安全性が高い第三世代の遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスI型(HSV-1)で、平成21年度より再発膠芽腫患者を対象とした臨床研究が開始された。本研究は、G47Δの基本骨格に外来遺伝子を直接組み込んで特殊機能を有する遺伝子組換えHSV-1を作製して脳腫瘍治療に応用する。特異性の高い抗腫瘍免疫を惹起するため、可溶型マウスB7-1を発現するHSV-1(T-mB7.1-Ig)を作製した。HSV-1に感受性の高いA/Jマウスに、低免疫原性のNeuro2a神経芽腫細胞を植えた皮下腫瘍モデルで評価を行ったところ、T-mB7.1-Igは低用量の腫瘍内投与でも、対照ウイルスT-01に比べ高い抗腫瘍効果を示した。更に、基質依存的に発光するCBRルシフェラーゼを発現する遺伝子組換えHSV-1を作製した。CMVプロモータとHSV-1の後期発現型プロモータを用い、感染後すぐに発現が得られるタイプと、ウイルスの複製が開始してから発現が得られるタイプの2種類を作製したところ、前者のHSV-1(T-luc)の方が格段に高いルシフェラーゼ発現を示した。さまざまな経路でT-lucをマウスに投与した後にIVISで観察し、遺伝子組換えHSV-1の体内動態を追跡した。また、手術検体から樹立した8種類の膠芽腫由来がん幹細胞のうち、3種類を用いてG47Δの効果を検討した。2次的sphere形成試験では低い感染率でもsphereを形成せず、G47Δが効率よく膠芽腫由来がん幹細胞を殺すことが示された。ヌードマウスの脳内にがん幹細胞を植えた実験では、G47Δを投与した群が対照群に比べて有意に生存期間が延長した。G47Δの実用化を見据えて、次世代の脳腫瘍ウイルス療法の基礎開発を進める。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Long-term control of disseminated pleomorphic xanthoastrocytoma with anaplast ic features by means of stereotactic irradiation.2009
Author(s)
Koga T, Morita A, Maruyama K, Tanaka M, Ino Y, Shibahara J, Louis DN, Reifenberger G, Itami J, Hara R., Saito N, Todo T
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Journal Title
Neuro-Oncology 11(4)
Pages: 446-451
Peer Reviewed
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