2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路過剰同期性に注目した新規てんかん焦点診断及び治療の開発へ向けた総合的研究
Project/Area Number |
21390405
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川合 謙介 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70260924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辛 正廣 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70302726)
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Keywords | てんかん / 大脳皮質 / 皮質脳波 / 軟膜下皮質多切術 / 迷走神経刺激療法 |
Research Abstract |
本研究は、治療困難な難治性てんかんに対する新たな治療法の開発を目的として、「大脳皮質における過剰同期性の特性解析とその抑制」をキーワードに、動物実験研究と臨床てんかん研究の両側面を総合的に進めるものである。平成22年度の実績は以下の通りである。 (1)多点皮質脳波・単一ニューロン発射の同時記録用の電極開発を進めた。2人の側頭葉てんかん患者に約3週間の留置を行った。最初の1例では、多点皮質脳波は記録できたものの単一ニューロン発射記録はできず、電極の耐性などの問題点が明らかとなった。これを改良し、2例めでは、はじめて多点皮質脳波と単一ニューロン発射の同時記録を行うことができた。 (2)平成21年度に確立したラット迷走神経刺激モデルを用いて、健常ラットにおける迷走神経長期刺激が海馬の細胞新生に及ぼす影響を調べた。迷走神経刺激群では、BrdU陽性細胞、Doublecortin陽性細胞ともに減少する傾向にあり、細胞新生をおさえ細胞分化を促進している可能性が示唆された。平成22年度には、脳病態モデルを用いて、病的状態に対する効果を検討する。 (3)迷走神経刺激療法臨床例における迷走神経誘発電位の測定記録をさらに進め、刺激装置植込手術中の記録であれば確実に上行性の誘発電位が記録できるような記録方法を確立した。ヒト迷走神経における上行性の誘発電位記録は世界でも初めてである。頭部での記録電極の位置を変える、頚部でのらせん電極の部位を数ミリずらすなど、さまざまな刺激条件で記録を行い、誘発電位の特性を明らかにした。
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Research Products
(11 results)