2011 Fiscal Year Annual Research Report
治療標的分子探索を目指したNFκBシグナルによる軟骨・骨の包括的制御機構の解明
Project/Area Number |
21390415
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 英也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30436464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 直史 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10361495)
筑田 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30345219)
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Keywords | 骨軟骨代謝学 / 再生医学 / 発生・分化 / NFκB |
Research Abstract |
昨年度までの解析で、Relaホモおよびヘテロノックアウトマウスにおいて明らかな骨格形成不全がみられたものの、Rela-floxマウスを入手してPrx1-Cre、Col2a1-Creマウスとの交配により軟骨形成の各段階ごとに組織特異的な遺伝子ノックアウトを行ったところ、軟骨基質の産生障害を主体とする骨格形成不全がみられ、細胞増殖や肥大軟骨細胞層以降には目立った異常は認めなかった。そこで本年度はタモキシフェン誘導性のCol2a1-CreERTをRela-floxと交配させ、骨格形成が終了した後に変形性関節症モデルを作成して解析したところ、Relaのノックアウトによって関節軟骨の変性がコントロールと比較して早くなることが判明した。一方で培養細胞系での検討では、Relaを過剰発現させるとCol2a1やSox9などの軟骨形成性の分子が誘導されるのと同時に、Mmp13,Adamts5などの軟骨変性を惹起する分子が誘導されることが明らかとなった。NFkBシグナルをわずかに刺激すると軟骨形成性の分子が誘導される傾向があるのに対し、強く刺激すると変性シグナルが誘導されることも明らかとなった。また昨年度にRelaの上流活性化分子として新たにGSK3α・βを同定したが、その後の解析によってRelaのT254とS276がGSK3α・βによるリン酸化サイトであることを同定し、これらのリン酸化によって軟骨形成性分子の誘導能が高まることを明らかにした。これらのリン酸化は免疫組織染色によって生体内でも確認された。
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