2009 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨形成・分化にかかわる骨形成因子関連シグナルの解明と軟骨修復
Project/Area Number |
21390421
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
妻木 範行 Osaka University, 医学系研究科, 独立准教授 (50303938)
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Keywords | 軟骨 / 転写制御 / トランスジェニックマウス / コラーゲン |
Research Abstract |
軟骨の主な機能はマトリックス蛋白によって担われている。ゆえに軟骨マトリックス遺伝子の転写制御を解明することは軟骨形成機序の解析に必須である。Sox9は軟骨細胞において、軟骨マトリックス遺伝子の転写に重要な役割を果たすことが知られている。遺伝子改変マウスの結果からSox9は軟骨形成に必須であることが知られているが、軟骨ができた後の軟骨細胞におけるSox9の本当の機能はわかっていない。これらのマウスでは軟骨が形成されないため、軟骨の解析が出来ないことがその理由である。我々が開発したCol11a2 prom-Cre transgenic miceは増殖軟骨細胞以降のステージの軟骨細胞でCre recombinaseを発現する。Col11a2 prom-Cre ; Soxg^<f/f> conditional knockout mice (CKO)を作製し、胎仔を種々のステージで解析した。交配後14.5日目のCKO上腕骨軟骨原基では、軟骨細胞の前肥大化および肥大が認められず、その部位の軟骨細胞は腔泡化し、細胞数が減少していた。in situ hybridizationでIhhおよびCol10a1の発現は消失していた。免疫組織学的解析においてSox9はround proliferative chondrocyteに発現していたが、flat proliferative chondrocyteでは発現が消失していた。Sox9の発現消失部位に一致して、Col2a1 mRNAの発現が低下していた。腔泡化した軟骨細胞はcleaved caspase 3を発現し、タネル染色陽性であった。コントロールマウスの軟骨ではcleaved caspase 3の発現は認めず、タネル染色は陰性であった。 これらの結果からSox9が欠失すると軟骨細胞は肥大軟骨細胞に分化せずに腔泡化し、アポトーシスに陥ると考えた。Sox9は軟骨形成だけでなく、その後の軟骨形質の維持および軟骨細胞の生存にも必須であると結論した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Essential mesenchymal role of small GTPase Rac1 in interdigital programmed cell death during limb development.2009
Author(s)
Suzuki D, Yamada A, Amano T, Yasuhara R, Kimura A, Sakahara M, Tsumaki N, Takeda S, Tamura M, Nakamura M, Wada N, Nohno T, Shiroishi T, Aiba A, Kamijo R.
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Journal Title
Dev.Biol. 335
Pages: 396-406
Peer Reviewed
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