2010 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨形成・分化にかかわる骨形成因子関連シグナルの解明と軟骨修復
Project/Area Number |
21390421
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
妻木 範行 大阪大学, 医学系研究科, 独立准教授 (50303938)
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Keywords | 軟骨 / 転写制御 / トランスジェニックマウス / コラーゲン |
Research Abstract |
軟骨の主な機能はマトリックス蛋白によって担われている。ゆえに軟骨マトリックス遺伝子の転写制御を解明することは軟骨形成機序の解析に必須である。Sox9は軟骨細胞において、軟骨マトリックス遺伝子の転写に重要な役割を果たすことが知られている。遺伝子改変マウスの結果からSox9は軟骨形成に必須であることが知られているが、軟骨ができた後の軟骨細胞におけるSox9の機能はわかっていない。これらのマウスでは軟骨が形成されないため、軟骨の解析が出来ないことがその理由である。そこで、軟骨細胞に分化してからSox9遺伝子が欠失するようなconditional knockout mice (cKO)を作製した。Sox9 cKOでは、軟骨細胞がアポトーシスに陥っていた。この細胞のシグナルを調べたとこと、MAPK関連の分子のリン酸化は保たれていたが、Aktのリン酸化が低下していた。そこで、Sox9とPtenのダブルのcKOを作製してAktのリン酸化を強制的に行ったところ、アポトーシスの程度が減弱し、Soxg cKOの表現型がレスキューされた。このことから、Sox9はAkt経路を通じて軟骨細胞の生存を支えていると考えた。さらに、Sox9のターゲット遺伝子を探索したところ、PI3Kサブユニットの一つであるPik3caの発現がSox9 cKOで低下していることがわかった。さらに、ルシフェラーゼアッセイやクロマチン免疫沈降法を用いた解析により、Pik3caのプロモーターにSox9が結合し、発現レベルを調節していることが判明した。このことから、Sox9の軟骨細胞における機能は、Pik3a-Akt経路を活性化することで、軟骨細胞の生存を支えるであるいことが判明した。
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Research Products
(6 results)