2011 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨形成・分化にかかわる骨形成因子関連シグナルの解明と軟骨修復
Project/Area Number |
21390421
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
妻木 範行 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (50303938)
|
Keywords | 軟骨細胞 / 内軟骨性骨化 / ノックアウトマウス / 細胞分化 / HDAC4 |
Research Abstract |
四肢及び体幹の骨格は内軟骨性骨化の過程を経て形成される。即ち、未分化間葉系細胞は凝集し、凝集間葉系細胞は軟骨細胞へと分化する。軟骨細胞は増殖しながら軟骨細胞外マトリックスを構築して、軟骨原基を作る。軟骨原基の中心部では、軟骨細胞の増殖が止まり、肥大化が始まる。肥大軟骨細胞はやがてアポトーシスに陥り、骨組織に置換されて、骨格が形成される。この過程は正常な骨格の形成に必須の過程である。我々はSalt-inducible kinase 3 (SIK3)ノックアウトマウスでは、軟骨細胞の肥大化のステップが障害されていることを発見した。SIK3ノックアウトマウスは軟骨が増大し、骨格の内部は軟骨で充填されていた。生後のSIK3ノックアウトマウスの関節軟骨は著しく肥厚していた。免疫組織学的解析では、SIK3ノックアウトマウスでは、増殖軟骨細胞のマーカーであるII型コラーゲンの発現が続き、肥大軟骨細胞のマーカーであるX型コラーゲンの発現が抑制されていた。SIK3の発現は増殖軟骨細胞で低く、前肥大軟骨細胞と肥大軟骨細胞で高かった。野生型コントロールマウスの軟骨細胞ではHDAC4は核外に局在していたが、SIK3ノックアウトマウスの軟骨細胞では、HDAC4が核内に存在していた。細胞生物学、生化学的解析により、SIK3は細胞質に存在し、HDAC4と結合して、HDACの核外移行を促進することが判明した。軟骨細胞の肥大化は、転写因子MEF2Cによって促進される。軟骨細胞はSIK3を発現し、HDAC4を核外移行させて、MEF2CをHDAC4による抑制から解放することによって、肥大化すると考えた。これらの結果から、SIK3が軟骨細胞を増殖から肥大化分化へスイッチする、キー分子であると考えた。
|
Research Products
(12 results)
-
[Journal Article] SIK3 is essential for chondrocyte hypertrophy during skeletal development in mice2012
Author(s)
Sasagawa, S., Takemori, H., Uebi, T., Ikegami, D., Hiramatsu, K., Ikegawa, S., Yoshikawa, H., Tsumaki, N.
-
Journal Title
Development
Volume: 139
Pages: 1153-1163
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Conditional deletion of Bmpr1a in differentiated osteoclasts increases osteoblastic bone formation, increasing volume of remodeling bone in mice2011
Author(s)
Okamoto, M., Murai, J., Imai, Y., Ikegami, D., Kamiya, N., Kato, S., Mishita, Y., Yoshikawa, H., Tsumaki, N
-
Journal Title
J.Bone Miner.Res.
Volume: 26
Pages: 2511-22
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-