2009 Fiscal Year Annual Research Report
筋組織の異所性骨化に基づく運動器の形成と再生機構の解明
Project/Area Number |
21390423
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
片桐 岳信 Saitama Medical University, 医学部, 教授 (80245802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 享 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (20301492)
大手 聡 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (00547979)
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Keywords | 再生 / 蛋白質 / 筋芽細胞 / 細胞・組織 / 骨形成 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
本研究では、筋組織内で異所性骨化が進行する遺伝性疾患(進行性骨化性線維異形成症;FOP)をモデルとし、筋組織の発生・再生機序や、骨・軟骨組織の形成機序の解明を目的とする。我々は、FOPでは、強力な骨形成促進活性を有するBone Morphogenetic Protin (BMP)の受容体が1アミノ酸の置換されることで、常に活性化されて骨形成シグナルを伝達することを示した。この受容体を筋芽細胞で発現させると、筋芽細胞の筋分化を抑制し、代わりに骨芽細胞分化を誘導した。また、マウス肢芽由来細胞で変異受容体を発現させると軟骨分化を誘導し、ゼブラフィッシュで過剰発現させるとBMP刺激と同様に拝復軸形成に異常を来すことが判明した。 そこで、遺伝的に活性化されたBMP受容体を阻害し、関連疾患の新しい治療法や予防法の開発を目指して、BMPシグナルの抑制機構を解析した。FOPで活性化されたBMP受容体のシグナルは、BMPの補助受容体と考えられてきたDRAGONを共発現すると抑制されることが判明した。また、BMP受容体による細胞内情報伝達には転写因子Smadのリン酸化が重要で、この脱リン酸化を促進するホスファターゼPPM1Aは、BMP活性を阻害することが明らかとなった。この機序を解析した結果、PPM1AはSmadの脱リン酸化を促すだけでなく、Smadのプロテアソームを介した分解を促進することでBMPシグナルを抑制することが判明した。 従って、BMPによる骨化を抑制する方法として、DRAGONやPPM1Aの発現を促すような新しい方法が可能であると考えられた。
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Research Products
(29 results)