2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390424
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀内 圭輔 慶應義塾大学, 医学部, 特任講師 (30327564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸山 芳昭 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40129549)
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Keywords | TACE/ADAM10 / 骨代謝 / 血液幹細胞 |
Research Abstract |
種々の膜型蛋白質は細胞膜上に発現したのち,蛋白質分解作用を受け,可溶型蛋白質として放出されることが知られている.この現象はectodomain sheddingと呼ばれ,様々な生命現象に深くかかわっていることが徐々に解明されつつある.TACEはこのectodomain sheddingの中心的な役割を担う酵素であり,研究代表者はこれまで,TACE遺伝子改変動物の解析を通して本酵素が造血・皮膚・骨など多くの組織・臓器の機能維持にかかわっていることを明らかにした.H23年度はこれらの研究成果をもとに,主に以下のような成果を得た. 1)TACEを軟骨細胞特異的に欠損したマウスは成長軟骨の肥厚と,長管骨の短縮を認めるが,これらの表現型がEGFRシグナリングの低下に起因し,軟骨細胞におけるEGFRシグナリングを抑制することにより,破骨細胞の分化誘導を抑制しうることを解明した.これはTACEによるectodomain sheddingが間接的に破骨細胞の分化誘導を制御していることを示す初めてのデーターである(論文投稿準備中). 2)TACEの類縁遺伝子であるADAM10の遺伝子改変マウスを作製し,ADAM10-Notchシグナリングが骨髄細胞の増殖を負に制御していることを明らかにした.Notchは細胞分化の運命決定に重要な機能を担っていることが知られているが,造血におけるその機能に関しては統一した見解に達していなかった.今回の研究から,Notchによる造血の制御に関して明確な回答を提示しえた(Yoda et.Blood). 3)TACE遺伝子改変動物を利用し,毛根細胞に発現するTACEが毛根細胞の維持に必須であることを明らかにした(慶應大学医学部皮膚科との共同研究.論文リバイス投稿済み)
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Research Products
(9 results)