2010 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷に対する人工多能性幹細胞由来神経幹細胞移植の確立
Project/Area Number |
21390426
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中村 雅也 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30217898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸山 芳昭 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40129549)
石井 賢 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00276289)
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Keywords | 脊髄損傷 / 人工多能性幹細胞 / 細胞移植 / コモンマーモセット |
Research Abstract |
目的:これまで我々は人工多能性幹細胞(iPS細胞)に着目し,マウス脊髄損傷に対するマウスiPS細胞由来神経幹細胞(iPS-NSC)の有効性を報告してきた.前臨床研究の最終段階として霊長類であるサル脊髄損傷に対するヒトiPS-NSC移植の有効性と安全性を検証することが本研究の目的である. 方法:京都大学山中研で樹立されたiPS細胞株のうち,これまでの研究で最も安全性が高いと評価された細胞株を使用し,独自に開発した方法でNSCへと分化誘導した.成体コモンマーモセット頚髄圧挫損傷モデルを既に報告した方法で作製し(Iwanami et al.JNR 2005),損傷後9日に損傷中心部にヒトiPS-NSC(100万個/5μ1)を移植した(n=5).対照群ではリン酸緩衝生理食塩水を注入した(n=4).運動機能評価として損傷後12週まで,original open field scoring scale,bar grip test,cage climbing test,自発運動量モニタリングによる機能評価を行い,その後組織学的評価を行った. 結果:免疫学的検討では移植細胞は,NeuN陽性のニューロン,GEAP陽性のアストロサイト,Olig1陽性のオリゴデンドロサイトへ分化し腫瘍形成は認めなかった,LFB染色では,iPS-NSC移植群ではcontrol群に比べ,髄鞘面積の増大を認めた.また,全ての運動機能評価において移植群で対照群と比較して有意な改善を認めた. 考察:ヒトiPS-NSCを用いた脊髄再生医療の実現に向けて,安全性を担保することが何よりも重要である.本研究により脊髄損傷に対するヒトiPS-NSC移植治療の安全性および有効性が確認できとことからも,さらに一歩臨床応用へ近づくものと考えている.
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Research Products
(7 results)