2009 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞への高効率量子ドット導入法と間葉系細胞・組織の分化過程に関する研究
Project/Area Number |
21390429
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
植村 寿公 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ナノテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (60176641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ワダワ レヌー 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 研究グループ長 (30371090)
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Keywords | 骨・軟骨代謝学 / 量子ドット / 間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、モータリン抗体に結合したQ-dotを培養条件の検討により各種間葉系幹細胞に高効率で導入する方法を確立する。更にその技術を用いた前臨床試験モデルを確立する。そのために、初年度は、ラット、ラビット、モンキー、ヒトの骨髄由来間葉系幹細胞へのモータリン抗体-量子ドット結合体による細胞導入実験を行った。その結果、使用したモノクロナール抗体を用いる限り、種による大きな差はなく、3時間程度のインキュベーションで60%程度、7時間を超えるインキュベーションで90%程度の量子ドット導入効率を得た。導入された量子ドットは、どの種の間葉系幹細胞に対しても、細胞質に均質に導入され、核内や細胞内膜構造への侵入は観察されなかった。その意味で量子ドット導入による細胞機能への影響は小さいと予想される。間葉系幹細胞から、骨、脂肪への分化過程において、ラットの骨髄由来間葉系幹細胞を用いて評価した結果、増殖能、骨芽細胞マーカー(ALP活性など)への量子ドット導入による統計的有意差はなかった。軟骨への分化に関してラビット骨髄由来間葉系幹細胞を用いて検討したが、増殖、機能への影響に統計的に有意な影響はなかった。以上の結果から、モータリン抗体を用いた量子ドットの間葉系幹細胞への導入リスクは極めて低いことが分かった。
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