2009 Fiscal Year Annual Research Report
樹状様細胞誘導能を示す新規抗腫瘍タンパクの基盤的展開研究
Project/Area Number |
21390441
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
那須 保友 Okayama University, 大学病院, 教授 (20237572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
公文 裕巳 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (30144760)
雑賀 隆史 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10314676)
賀来 春紀 岡山大学, 大学病院, 講師 (60346426)
枝村 康平 岡山大学, 大学病院, 医員 (90535816)
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Keywords | REIC / 前立腺癌 / 遺伝子治療 / 蛋白治療. / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
REIC/Dkk-3タンパクのサイトカインとしての作用、臨床的意義を解析した 1) サイトカインとしての作用機序の解明 (1) ヒト正常細胞での解析(in vitro) : REICタンパク質の作用を明らかにするためまず正常細胞への作用として間質細胞(線維芽細胞)へのREIC遺伝子の導入を行った。その結果ASK, p38, STAT-1, IRFの活性化を通じ通じたInterleukin-7の分泌が生じることを確認した。 (2) がん細胞での解析:またこの反応はがん細胞においてはInterleukin-7の分泌が生じないことを確認した。 2) 臨床的意義の解析(in vitro):治療効果と安全性の評価と検証 マウス前立腺癌RM9細胞のマウス皮下腫瘍モデルにおいて、精製REICタンパク質を複数回局所注入することにより、その腫瘍増殖を有意に抑制することをすでに成功しているが、今年度はその再現性・安全性を確認するとともに、摘出組織における免疫組織学的解析を行い、免疫担当細胞の局所での活性化を確認した。また治療時の血清を採取し以後のサイトカインアッセイの試料とした。 これら1)2)の結果はREIC遺伝子の局所投与にともなう全身の免疫の活性化を科学的に裏付ける知見である。 3) ノックアウトマウスの解析 別途作成過程にあったREIC遺伝子の全身ノックアウトマウスの解析が行える環境が整ったため全身ノックアウトマウスの解析の一部を22年度からの前倒しで開始した。肉眼的観察を行うとともにそれぞれの組織を採取し、コントロール群との比較によるふえのタイプの解析に着手した。詳細については予定通り22年度に実施する。 ノックアウトマウスの研究が本格化することはREICの一般的な生物学的意義を解析するという点においても今後の幅広い学際的研究の発展を可能ならしめる。当該課題においては特に免疫・サイトカインと癌治療という点に焦点を絞った研究が実施される。
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