2010 Fiscal Year Annual Research Report
樹状様細胞誘導能を示す新規抗腫瘍タンパクの基盤的展開研究
Project/Area Number |
21390441
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
那須 保友 岡山大学, 病院, 教授 (20237572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
公文 裕巳 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30144760)
雑賀 隆史 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10314676)
賀来 春紀 岡山大学, 岡山大学病院, 講師 (60346426)
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Keywords | REIK/DKK-3 / 前立腺癌 / 樹状細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
REIC/Dkk-3タンパクそのものが特定の末梢血免疫細胞を樹状細胞様細胞に分化させ,抗腫瘍効果を発揮するというサイトカイン様作用を有することを我々は確認しており治療薬としての臨床的有用性があることを提唱している(Int J.Oncology in press,特許出願2008-086516)。 当該研究においては、REIC/Dkk-3タンパクの有するこの新たな抗腫癌効果発現における作用機序ならびにサイトカインとしての機能の詳細をあわせて解明し、新規タンパク治療の開発を含めたその臨床的な意義を明らかにすることを目的として研究を行ってきた。今年度は特にその臨床的意義をよりあきらかにするために安全性と治療効果の評価を行った。特に臨床応用を意識した種々の動物実験を実施した。 (1)安全性の評価:臨床研究導入のための安全性(毒性)試験として実施した 全身投与(腹腔内、静脈内)、腫瘍内投与時における安全性を以下の検討項目を用いて解析評価した。大動物(犬もしくはサル)への実験移行のための基盤データとする。 その結果、体重、生存、栄養状態、各種血液学的検査の実施(肝・腎機能等の一連の項目を実施)し対照群と比較しその安全性を確認した。 (2)治療効果の評価:治療効果の確認と治療効果発現の科学的根拠となる変化を解析した。 全身投与、腫瘍内投与時の抗腫瘍効果を確認した。フローサイトメトリ、免疫組織化学染色による解析を実施し局所における樹状細胞の有意な浸潤が存在することを確認した。 (3)REIC/Dkk-3タンパクの大量生産系の確立:治療を実施するためには有効なタンパク生産系を確立する必要があり、従来より我々が有するCHO細胞による生産系以外に複数の生産系についてその有用性を検討し採用する候補の絞り込みを行った。今後はそれらのタンパクを用いた治療効果について再確認する予定である。
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Research Products
(5 results)