2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390457
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 俊光 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80133958)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 哲明 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (50169728)
大島 猛史 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40241608)
鎌倉 慎治 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (80224640)
中谷 和弘 東北大学, 病院, 助教 (60466563)
日高 浩史 東北大学, 病院, 講師 (40302103)
|
Keywords | 内リンパ電位 / ABR / イオン濃度 / 半規管瘻孔 / 半規管 / 半規管膨大部 / 前庭 |
Research Abstract |
今年度は、前年度までの実験結果において、半規管並びに半規管膨大部への侵襲では、内リンパ電位(EP)並びに内リンパイオン濃度(K+,Ca2+)の変化は軽微であったが、前庭開放において不可逆的な変化が認められること、また前庭開放時に何らかの液体を満たすことによってEPの低下がある程度抑えられることなどを踏まえて、さらに前庭開放時における蝸牛保護の検討を行った。実験はハートレーモルモットを用いて、前庭開放直後にbone waxにてリンパの漏出を抑えた群、並びに前庭開放を30分間継続した群を用いて行った。蝸牛機能は聴性脳幹反応(ABR,tone burst:8000,16000,32000HZ)の測定で評価した。前庭開放直後にbone waxにてリンパ漏出を抑えた群は全ての周波数において30分間継続した群と比較して有意にABRの閾値上昇を抑えることができた。このことは前年度の実験と同様に、急性期においては、リンパ液の急激な漏出を防止することが前庭開放時の蝸牛機能温存に最も寄与する可能性が示唆された。また、臨床的検討として中耳真珠腫における半規管瘻孔の検討を行った。真珠腫母膜の完全除去においても92%と良好な術後聴力(35/38例)であり、過去の報告と比較しても遜色ない良好な結果であった。さらに術後の聴力予後について、半規管瘻孔の大きさ(今回の検討では3mm)が最も重要な因子の一つであることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
方法が確立しており、既に論文も刊行されている。 更なる研究の進行に努力していく。
|
Strategy for Future Research Activity |
前庭開放時に必要である内耳障害を有効に予防できる方策の探求が鍵である。 現時点の方法をさらに進化させるべく研究を行っている。
|
Research Products
(3 results)