2009 Fiscal Year Annual Research Report
突発性難聴における血液迷路関門の破綻と血管障害関連遺伝子
Project/Area Number |
21390460
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 務 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (30180277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長縄 慎二 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50242863)
下方 浩史 国立長寿医療センター研究所, 疫学研究部, 部長 (10226269)
寺西 正明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20335037)
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Keywords | 突発性難聴 / 遺伝子多型 / 血液迷路関門 / 内耳 / MRI |
Research Abstract |
突発性難聴とメニエール病の遺伝子多型検査につき倫理委員会で承認のあと、突発性難聴51人、メニエール病47人で24の遺伝子多型の検査を行った。コントロールは、国立長寿医療センター約2000人である。結果は、現在、集計中であるが、突発性難聴発症リスク遺伝子としてNOS3遺伝子多型が浮かび上がった。G894T (Glu298Asp)のヘテロ型が突発性難聴では、コントロールより有意に多かった。このNOS3の遺伝子多型は、突発性難聴発症のリスクになるとすでにヨーロッパから報告されており、日本人でも突発性難聴発症に関連することがわかった。この遺伝子多型は、NO産生に関連し、リスクとなる疾患として高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、男性の勃起障害など報告されているが、いずれも血管拡張障害、血流障害に関与するものと考えられている。 コントロールの中で、突発性難聴の既往が33人にあったが、これと残りの大勢とmethylenetetrahydropholatereductase (MTHFR)の多型C677Tを比べたところ突発性難聴ではC677Tのヘテロ型、ホモ型の比率が高かった(Laryngoscope in press)。MTHFR C677Tも突発性難聴発症と関連するとヨーロッパから報告されているが、血流障害との関連が述べられている。しかしながら、MTHFRの遺伝子多型と突発性難聴の関連について有意でなかったとする報告もあり、本研究では、今後症例を追加して検討していく予定である。
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Research Products
(23 results)